ウェディングプランナーで年収1,000万円は届く? 給料の天井を超える「原資」と稼ぎ方

こんにちは、アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
当社で運営している結婚式場とウェディングプランナー経験者の業務委託マッチングサービス「Wedding Me Works」での事例などをもとに、ウェディングプランナーが年収1,000万円に届くための道筋についてお送りします。
プランナーの仕事は好きだし続けたいけれど、今の会社で昇格していったとしても、どう頑張ってもこれ以上お給料は上がらなそう。まして年収1,000万円なんて夢物語。年収の話になると、このように最初から諦めている方が多い印象がありますが、働き方次第ではプランナー業をやりながら実際に1,000万円に届いている人もいるので、今回の記事ではその話を書いてみます。

ウェディングプランナーでも年収1,000万円に届く人はいる
ウェディングプランナーで年収1,000万円に届いている人は実際にいて、Wedding Me Works で業務委託として稼働しているプランナーの中にも、年間の報酬が1,000万円を超えた方がいます。
ブライダル業界の平均年収は350〜400万円台が中心で、正社員のキャリアの到達点である支配人クラスでも530万円前後、エリア統括だと600万〜700万円程度なので、1,000万円は支配人クラスのおよそ2倍にあたります。なので正社員として役職を上げていく道の延長線上にはない数字だということは、まず前提として押さえておいてください。
では届いている人がどんな働き方をしているかというと、多くの場合で新規接客をメインに活動されています。新規接客で成約を積み上げながらインセンティブを稼ぎ、平日に事務や撮影、SNS 運用などプランナー経験を活かせる別の業務も受けていて、それらの報酬が加わると月80万〜100万円くらいになる、という型ですね。Wedding Me Works の直近半年の支払実績を見ても、報酬の上位層は受け取っている報酬の約7割が新規接客(接客報酬と成約報酬)で占められていて、全体平均よりはっきり高くなっています。月80万円を超える月があるプランナーも一人ではないので、たまたま繁忙期に報酬が跳ねたという話でもありません。
正社員の給与テーブルのままでは届かない理由
正社員のままで1,000万円に届かないのは、本人の頑張りが足りないからではなく、給与に回せるお金の総額が会社の中で最初から決まっているからです。
多くの式場では、給与を上げる道は役職を上げることとほぼイコールになっています。毎月10組成約するプランナーと2組成約するプランナーの月給の差が10万円もない会社も珍しくなく、プレイヤーとして成果を伸ばしても給与にはあまり還元されません。これは式場1施設の売上に物理的な上限があり、そこから会場維持費や広告費を引いた残りの枠の中で人件費が決まるという業界の構造から来ている話で、詳しくはブライダル業界の年収事情と給料が低い理由を整理した記事で書いています。
ここで大事なのは、給与の原資、つまり人件費に回すお金の出どころが増えない限り、経営側が「もっと払ってあげたい」と思ったところで払えないということです。気持ちの問題ではなく構造の問題なので、年収を上げたいならまず「その上乗せ分のお金はどこから来るのか」を考えるところから始めることが必要になります。
年収を上げるお金は3か所からしか生まれない
プランナーの年収を今より上げる原資の出どころは、突き詰めると次の3か所しかありません。
- 既存の婚礼顧客から、今より多くいただく: 指名料やプロデュース料のように、プランナー個人の価値に対して顧客から追加でいただくお金
- 式場が払っている他のコストから、人件費への配分を変える: 広告費や、生産性が上がって浮いた人件費を、成果を出す個人に寄せる
- 婚礼以外の顧客からいただく: 婚礼とは別の仕事で稼いだ報酬を合算する
この3か所は、正社員でも業務委託でも同じです。会計上の科目が「給与」か「業務委託費」かが違うだけで、誰かが払うお金の流れを変えないと、年収の上乗せ分は生まれてきません。
2つ目のコスト配分については、動かせる費目がかなり限られています。地代家賃や光熱費のような会場維持費は固定費なので削れませんし、料理や装花の原価を削れば商品そのものの価値が落ちてしまうので、候補として残るのは広告費と人件費です。人件費は、今6人でやっている仕事を4人で回せるようになれば1人あたりを1.5倍にしても損益が成り立つ、という生産性の話になります。ただし、生産性向上で浮いた分が値引きなど別の用途に回ってしまえば働く側には何も返ってこないので、そこは経営の意思決定次第というのが正直なところです。

1,000万円に近づく3つの稼ぎ方と、それぞれの天井
この3か所をプランナー個人の働き方に置き換えると、1,000万円に近づく現実的な稼ぎ方は、業務委託で成果報酬を取りにいくか、顧客と直接契約してプロデュース料をいただくか、婚礼とそれ以外の仕事を合算するかの3つになります。
業務委託で成果報酬を取りにいく
業務委託の成果報酬は、2つ目の「式場のコスト配分を変える」がすでに起きている形です。業務委託の新規接客では1組成約するごとに40,000〜70,000円ほどの成約報酬が出ますが、式場から見るとこれは、広告費と同じく新規のお客様を獲得するための投資として払われているお金です。Wedding Me Works の報酬全体を見ても、成約報酬が3割強と最も大きな割合を占めていて、成果に対して払われるお金が中心になっています。
さらに企業から人気のプランナーになると、他社の案件より自社の案件を優先してほしいという理由で、式場がその人に限って報酬を高く設定するケースもあります。成果を出す個人にお金を寄せるという配分の変化が、正社員の給与テーブルよりずっと早く起きているわけです。業務委託の単価がなぜ正社員の給与水準より高くなるのかは業務委託プランナーの報酬がなぜ高いのかを分解した記事で詳しく書いています。
ただこの稼ぎ方の天井は、新規接客の枠の数と成約率で決まります。土日の接客枠には物理的な上限があるので、1,000万円に届いている人も新規接客だけで届いているわけではなく、先ほど書いたように平日の事務や撮影などの報酬を上乗せして月80万〜100万円を作っています。
顧客と直接契約してプロデュース料をいただく
顧客との直接契約は、1つ目の「顧客から多くいただく」をそのまま形にした稼ぎ方です。自分のプロデュースブランドを持つフリープランナーの場合、カップルからいただくプロデュース料の中に指名料が含まれていると考えるとわかりやすいと思います。単価を自分で決められる代わりに、集客も自分でやらなければいけないので、ここの天井は集客力そのものです。ブランド運営を主軸にする働き方についてはフリーランスウェディングプランナーの3つの働き方で整理しています。
婚礼とそれ以外の仕事を合算する
3つ目の「婚礼以外からいただく」にあたるのが、平日は人材や広告運用、SNS 運用代行などプランナー経験が活きる別の仕事をして、土日にウェディングの仕事をするパターンで、合算すれば1,000万円に届く人も出てくると思います。ただこれは「プランナーという職業の年収が上がった」というより「個人の稼ぎ方が変わった」話に近いので、プランナーとして1,000万円を目指すという意味では、前の2つとは少し性質が違うと捉えておいたほうがいいかなと思います。
カギは「契約前に選ばれる」プランナーになること
業務委託でも直接契約でも、1,000万円に届くかどうかを分けているのは、顧客や式場から個人として選ばれ、その対価が個人に還元される仕組みに乗れているかどうかで、ここがほぼ唯一の分かれ目だと思っています。
正社員として働く分業制の式場では、この「選ばれる」がほとんど機能していません。担当プランナーが決まるのは成約した後なので、顧客は契約の時点で誰が担当になるかを知らず、指名料以前に担当を選ぶ仕組みそのものがないんですよね。一貫担当制でも初回の見学で誰がつくかは式場側が決めるので、事情はあまり変わりません。指名制度や、指名されたことを評価するインセンティブを入れている式場も、今のところほぼ見かけません。
仮に指名料の仕組みができたとしても、1組10万円の指名料を年間40組からいただいて400万円なので、全額が還元されたとしても指名料だけで1,000万円との差は埋まりません。指名料そのものより、指名される存在になった結果として式場の集客や単価に効いてくる部分まで含めて、ようやく1,000万円に届く原資の規模になるイメージです。
一方で業務委託の現場では、この「選ばれる」がかなりはっきり起きています。たとえば新規接客の案件が3組あって、その式場と契約済みのプランナーが5人いる場合、Wedding Me Works では誰に依頼するかを式場側が選べるので、指名されるプランナーには毎回声がかかることになります。報酬の上位層でも取引している式場は月に1〜3社ほどで、多くの式場を掛け持ちして稼いでいるわけではなく、稼げるかどうかは「どれだけ多くの式場と取引しているか」より「同じ式場からどれだけ選ばれ続けているか」で決まっている印象です。
こうした構造は美容師の世界にかなり近くて、美容室では指名料があり、個人の SNS で集客し、単価も腕と人気で変わるのが当たり前になっています。ただ美容室は「前回よかったからまた指名する」が成り立つリピート商材なのに対して、結婚式は一度きりなので、顧客が契約前にプランナーの腕を確かめる手段がほとんどありません。だからこそ発信や事例の見せ方で契約前に信頼を作っておくことの比重が、美容師よりもさらに大きくなると思っています。
そう考えると、最初の一歩は自分の SNS アカウントで発信を始めることが重要になります。どんな結婚式をつくってきて、どんな考え方で接客しているのかを契約前に知ってもらえる状態を作っておくことが、指名される側に回るための入口なんですよね。ただ会社によっては社員個人の SNS 発信を禁止しているところもあるので、正社員のうちに始める場合は社内規定を必ず確認し、そのルールの範囲内で進めるようにしましょう。
年収1,000万円を目指す人からよく聞かれること
年収1,000万円の話をしていると、業務委託にも指名料はあるのかと聞かれることがよくあります。業務委託の報酬に指名料という項目は基本的にありませんが、企業から人気のプランナーに対して式場がその人だけ報酬を高く設定するのは、実質的には指名料に近い上乗せと言えると思います。顧客と直接契約するフリープランナーの場合は、プロデュース料の中に指名料が含まれている形です。
もう一つよく聞かれるのが、1,000万円を稼げるようになった後に気をつけることで、ここはお金の出入りのタイミングに注意が必要です。繁忙期と閑散期の報酬の差は1年を通せば吸収できるのですが、前年に1,000万円を超えて稼いだあとに翌年の稼働を落とすと、前年の所得をもとにした税金や保険料の支払いが後からやってきます。収入が落ちた年に大きな支払いが重なることになるので、稼げている年ほど、翌年の支払い分を手元に残しておくキャッシュフローの管理は欠かせません。
まとめ
ウェディングプランナーで年収1,000万円に届く人は実際にいますが、その人たちは正社員の給与テーブルの延長線上で届いたわけではなく、顧客や式場から個人として選ばれ、その対価が自分に還元される仕組みの上で稼いでいます。
プランナーの価値を上げたい、職業としての地位を高めたいという声はよく聞きますし、その気持ちもよくわかるのですが、想いの強さと実現性は別の話で、年収の上乗せ分は誰かが払うお金の流れが変わらない限り生まれてきません。全員が1,000万円を目指す必要はまったくないと思いますが、目指したい人にとっては、自分の今の稼ぎがどこから来ているのかを知り、選ばれる側に回る準備を少しずつ始めてみるのが、遠回りに見えて一番の近道なんじゃないかなと思っています。
今回の記事ではあまりご紹介しませんでしたが、ウェディングプランナー経験者の業務委託案件での働き方に興味がある方、自分だったらどんな働き方ができるのかとお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せください。
Wedding Me Works は、結婚式場とウェディングプランナーを業務委託契約でつなぐマッチングプラットフォームです。ご関心に合わせて、それぞれの窓口をご用意しています。






