Magazine

2024/07/06

ブライダル業界の人材状況は今どうなっている?(2024年度中間)

こんにちは、アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

当社で運営している結婚式場とウェディングプランナー経験者の業務委託マッチングサービス「Wedding Me Works」での事例などをもとに、フリープランナーの稼働も含めてブライダル業界全体の人材活用状況がどのようになっているかについてお送りします。

 

ブライダル業界の人材にまつわる全体感

2022年~2023年にかけての深刻な人材不足状態は脱してきていて、人員計画上の人数は揃いつつある企業が増えてきているように思います。

この要因は以下の3点です。

  • 新卒の大量採用(特に大手、2023年卒から)と戦力化
  • 退職スピードの低下
  • 結婚式需要減や業務効率化による業務絶対量の低下

とにかく人がいなかった時期と比較して、人材の供給量が増え、業務効率・生産性が上がり、(残念だけど)結婚式需要が減ったので、人材の需給バランスが整いました、と捉えるのが大枠ではよさそうです。

しかしながら、これはあくまで全体感としての話であって、世代別やエリア&会社別によって状況は様々でして、次からはもう少し深く考えてみます。

 

世代別のブライダル人材の状況

①新卒、若手:新卒~3年目くらい

直近2-3年の新卒採用数を大幅に増やしたのでこの層の人材はかなり充足。就活でのブライダル業界人気は増えてはいないもののまだ維持されているので、採用しようと思えばできる状態だと言えます。

②中堅:3年目~7年目くらいの層

今後について悩む人が一番増える時期。コロナ期間を経ても残った人材なので今いる人はマインド的にも安定していることが多いものの、ここ数年で退職者も出てかつ中途採用もうまくできていないので人材の層としては薄い状態。

③ベテラン_7年目以降の管理職

色々な企業の方のお話を聞いている限り、ここの人材不足は深刻。中途採用しようにも転職市場に人材がいない、社内から候補者を挙げようにも管理職になりたい人がいない、という状態。採用できるときはほぼリファラル(知り合いや社員の紹介経由)の印象。

④フリーランス

フリープランナー/副業・複業をするプランナー経験者はかなり増えてきていて、個人プロデュースブランドの集客難易度はより高くなり、式場からの委託業務も”優秀な人材であれば”の注釈付きで検討されることが増えてきています。需要と供給のバランスで言えば一番飽和している層だと思います。

⑤ベテラン_フリーランス

個人またはチームのプロデュースブランドで一定成功した人は、次のステージへと進もうとしていることが多い印象で、そのパターンは大きく分けると(1)法人化&プロデュース規模拡大(2)教育(3)企業向けコンサル、この3つです。ただそこまで成果を上げている人はなかなかいないので絶対数としてはかなり少ないですね。

***

このように、

  • 若手は充足していて人数はそれなりにいる
  • しかし、核になるような中堅~ベテラン管理職の層は薄く、マネジメントコストは高い
  • フリーランスは増えているが対顧客でも対企業でも競争はより一層激しくなり
  • 実力はあるけど直近はあまり仕事がない、という人が増えている

という少しいびつ、アンバランスな状況だと言えます。

 

エリア&会社別の人材の状況

①エリア別の状況

都市部は新卒人気&フリープランナーへのアクセス手段の充実に伴い人材確保は満たされつつあるものの、地方は安定確保まだ難しい印象。もちろん、人材の質を問わなければ採用できないこともないが(営業未経験&業界未経験者からの応募とかはある)、そうすると育成コストもかかり判断は慎重になりがちで結局埋まらない。

ただ、エリア内のマーケットの落ち込みが相当厳しいこともあり(ゼクシィレポートでコロナ前比で約50%とか)、計画上人員は不足しているが実態としては間に合ってしまう、ということも起こっていそうです。

②会社別の状況

大手は新卒採用でリソース確保ができますが、中小企業は苦しいところが多そうです。そして、企業の人材リソース確保の傾向としては採用重視回帰の流れを感じています。

  • コロナ前はほぼ採用(=雇用契約)のみ
  • ~2022年くらいまでは人材不足が深刻過ぎて、とにかく経験者なら誰でもいいから手伝ってほしい!という状態
  • いろんなフリープランナーに来てもらったものの、当たりはずれが激しく成果もでなかった(のでたいフリープランナーの社内印象が悪い)
  • コロナも落ち着いたしやっぱり社員がいい、採用を頑張ろう!

こんな思考プロセスでそうなったんだろうなって気がしてます。

***

企業ごとに

  1. 採用重視型:社員だけでの事業運営を目指す
  2. ハイブリッド型:社員とフリーランスのバランスを取って事業運営を目指す
  3. フル委託型:必要最低限の社員と他はフリーランス人材を活用して事業運営を目指す

このように方針の違いはあるものの、エリアや会社全体の状況に応じて柔軟に対応している企業も少なくないので、募集状況などは常にウォッチしていくことが必要になりそうです。

 

ブライダル業界の人材状況についてまとめ

IT業界やベンチャー界隈と比べると穏やかな業界ではありますが、それでもここ数年は年度によって方針が大きく変わっていることも多く、最新の環境を踏まえて自身のキャリアプランを考えたり、採用戦略を考えたりすることが必要になりそうです。

今回の記事でご紹介したような全体感の中で、ウェディングプランナー経験者の業務委託案件での働き方に興味がある方、自分だったらどんな働き方ができるのかとお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せください。

この記事を書いたライター

新着記事