ウェディングプランナーのセカンドキャリア|よくある転職先5パターンと選び方のリアル

こんにちは、アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
当社で運営している結婚式場とウェディングプランナー経験者の業務委託マッチングサービス「Wedding Me Works」での事例などをもとに、ウェディングプランナーのセカンドキャリアと、その代表例である人材業界への転職についてお送りします。
「このまま続けるのが正解かな…」プランナーを長く続けているとふと立ち止まる瞬間が訪れることもあるでしょう。数年前までは「プランナー辞めるなら他業界への転職を考える」という流れが強かったのですが、最近はもう少し選択肢が広がってきている印象で、今回の記事ではこのテーマについて整理してみます。

ウェディングプランナー経験者が「次のキャリア」を考える理由
ブライダルの現場プレーヤーには26〜30歳くらいの旬みたいなものがあるなとずっと感じていて、この時期を境に次のキャリアを考え始める方が一気に増えます。お客様との年齢差が広がったり、土日の長時間労働が体力的に響いてきたり、年収が伸びにくくなってきたり、そういう変化が一斉に重なるタイミングなのかなと思います。もちろん35歳以上で現役バリバリの方もいらっしゃるので絶対というわけではないですし、40代・50代・60代の現役プランナーの実態についてはこちらの記事でまとめていますが、多くの方は20代後半〜30代前半でこのテーマと向き合うことになります。
代表的なきっかけとしてはこのあたり。
- 仕事に慣れてきて、新しい成長機会を感じなくなる
- 結婚や出産などライフステージの変化で、土日休みの仕事を希望するようになる
- チーフやリーダーで年収が頭打ちになる(管理職を目指さない場合)
- 土日の長時間労働に体力的なきつさを感じ始める
これらは以前から続く業界特有の理由で、昔も今も多くの方の悩むポイントだと思います。また最近ではここに5つ目のきっかけとして「業界全体の衰退を感じてしまって将来が不安」という方も増えてきており、所属している会社や業界全体への不安から次を考え始めるパターンも少なくありません。
※年収の頭打ちについてはブライダル業界の年収はいくら? 給料が低い理由と収入を上げる選択肢でも詳しく書いているので、興味があればあわせてどうぞ。
ウェディングプランナー経験者のよくある転職5パターン
プランナー経験者の転職先としてよく聞く、代表的な5つの例を挙げてみます。
① 人材業界(キャリアアドバイザー・法人担当)
転職エージェント企業のCAもしくは法人担当(RA)。これが一番多いかなぁ。土日休み、年収アップ、人生の転機に関わるやりがい、プランナースキルとの親和性、これらの魅力が揃っていることから、転職先として今も人気です。一昔前はプランナーのセカンドキャリアといえばここ、というくらい主流のルートでした。詳しくは後ほど。
② SaaS系IT企業(カスタマーサクセス・インサイドセールス)
最近じわじわと増えているパターン。リモート可、土日休み、年収アップも見込める。対人コミュニケーション力が高く、エンジニアなども含めた多様な担当者と話せるプランナー経験者は、こうしたカスタマー対応職でパフォーマンスを発揮しやすい。最近は特に多い気がします。
③ 自身でブランド運営するフリープランナーを目指す
完全に独立して、自分のプロデュースブランドを立ち上げる方向。ハードルは高めですが、自分だから作れる結婚式をプロデュースしたい人やクリエイターなど様々なブライダル業界の人とつながりを持ちたい人はけっこう独立している印象です。
④ 業務委託案件中心のフリーランス
結婚式場と業務委託契約を結んで案件単位で働くフリーランス型。Wedding Me Worksを利用いただいている方の多くはこのパターン。詳しくは後ほど別の章で取り上げます。
⑤ 他職種チェンジ(マーケター・PR・事務職など)
事業会社のマーケや広報、もしくはブライダル業界以外の事務職も最近多いですね。
全体的なトレンドとしては、人材業界への転職はピークよりは少し減ってきている気がします(それでも今でも多いんですけどね)。この背景には、人材業界自体が飽和してレッドオーシャンになってきているからというのもありそう。また逆に事務職や”いったんフリーランス”になる方は増えてきていて、プランナーの転職先は人材業界一強と言われた時代から多様化の時代に入ってきたなと感じます。
なお、③④で挙げたフリーランスとしての働き方も中身は多様化していて、ブランド主軸・委託専門・両立型の3パターンに分かれます。それぞれの実態はフリーランスウェディングプランナーの3つの働き方で整理しています。

ウェディングプランナー経験で「活きるスキル」「ハマる落とし穴」
プランナー経験者の持つ「toCの営業力」と「対人コミュニケーション力」の高さは、他業界で高く評価される傾向にあります。一方で、定量的な目標管理や行動管理、KPI管理に慣れていない点や、ITツールが整備され効率化された職場環境での仕事スピード感などは壁を感じる人が多く、これが異業種での苦戦の原因になりやすいと思います。
結婚式は数百万円規模の高額商材なので、個人向け高額商材営業の経験は他業界から見るとかなり貴重なんですよね。なので、住宅、自動車、保険、高額美容などの業界の営業職だと積極的に採用されている実態があります。また、対人コミュニケーション力の高さは、特にSaaSなどのIT系サービスだと活きやすく、商材理解の壁さえ超えてしまえばあまりコミュニケーションが得意とは言えないエンジニアとも臆せずに話を引き出せるので、カスタマーサクセス職などに向いていると言えます。
また逆に、他業界転職の落とし穴としてよく聞くのは、「人生に関わる仕事」のやりがいは、他業界だとなかなか感じることは難しい点。人材紹介サービスもたしかに誰かの人生に関わりますが、結婚式ほどの「人生に1度レベル」ではない。ここの期待していたやりがいとのギャップに転職後から気づく人がけっこういます。
次に事業運営におけるビジネス環境の違い。これはちょっと耳が痛い話ですけど、ブライダル業界はKPI管理や数値目標の徹底が他業界に比べると甘めなことが多いので、ハードなビジネス環境の異業種に飛び込むと「こんなに数字に追われるのか…」と想像以上にきついと感じる人が出てきます。
最後にもう1点、新卒からプロパーでブライダル業界に入ってずっと続けてきた方に多いのが、他業界の評価言語に馴染みにくいという悩み。たとえば数字目標の管理用語や、サブスクリプション型サービスの収益指標なんかに出会ったときに、その意味は調べれば分かるけど、それが自分の仕事や評価にどう跳ね返ってくるのかの実感が湧きにくい。これは新卒からの環境が原因なので悪いわけではないのですが、面接や入社後に違和感を感じやすい原因かなと思います。
セカンドキャリアで変わる3つのこと — 年収・働き方・やりがい
異業種転職で大きく変わるのは、年収・1日の労働時間の安定感・やりがいの質、この3点です。
年収
肌感としては、人材業界やIT業界への転職だと約100万円アップ、事務職への転職だと横ばいか多くて50万円アップ、というイメージです。業界構造の違いから給与水準がそもそも違うので、個人の能力の差ではなく業界選択の差と言えます。ブライダル業界で管理職にならない場合だと一定ラインで年収がほぼ横ばいになりやすいので、業界変更による100万円アップはインパクトが大きいでしょう。
働き方
土日休みはご存知の通りで、もう一つ大きな変化が1日あたり労働時間の安定感。ブライダルの土日はお客様対応次第で1日12時間超も珍しくないですが、異業種だとどんなに残業してもせいぜい2時間、1日最大でも10時間労働までがほとんど。さらに在宅ワーク可のところも少なくない。結婚式では現場に行かないとできない仕事ですが、他業界ではリモートが当たり前のところも多いので、住む場所の自由度が上がる人もいます。
やりがい
ここが地味に重要なところで、転職後の仕事へのやりがいは「結婚式に対するやりがいとは別のところに持つこと」が大事だなと思います。
先輩転職者の話を聞いていると、転職直後は「土日休み&年収アップで、いい選択だった」と満足度が高いんですが、半年くらい経つとだんだんブライダル時代ほどのやりがいを感じなくなってくる人が多いんですよね。理由は結婚式のようにお客様から直接「ありがとう」と言われる機会がほとんどないから。システマチックに数字目標をひたすら追い続けるという環境に耐えられなくなることもある。
これは企業文化やビジネス構造の違いに起因する問題なので、ある程度は転職前に覚悟しておくといいかなと思います。もし「数字や成果でやりがいを感じるタイプ」の方であれば、むしろ相性はよりよくなるかもしれません。
「転職先を決める前に一呼吸置く」業務委託という第三の道
ブライダルしか知らない状態で他業界に転職しても、思っていたのと違ったとなって短期離職につながりやすい。でもこのまま続けて時間だけ経ってしまうのも避けたい。そんなときに有効なのが、結婚式場と業務委託契約を結んで「キャリアの踊り場」をつくるというアプローチです。
転職を考える人とよく話していて多いのが「自分が何に向いているかが分からない」という声。ブライダル業界しか経験していない状態で「次は人材!」「次はマーケ!」と決めて飛び込むと、想像と違ったとなることも少なくない。
であれば、いきなり辞めて転職するのではなく、結婚式場と業務委託契約を結んで案件を回しながら、平日は別業界のスキル習得や副業に充てたり、ブライダル以外の世界を覗いてみたりする。完全に辞めてしまうのではなく、ブライダルの稼働で生活基盤を保ちつつ、自分に合う次の方向性を探していく期間をつくる、という発想です。
「業務外のどんなスキルを学ぶか」でセカンドキャリアの選択肢は大きく変わります。具体的な5領域とツールについてはウェディングプランナーが今のうちに学びたい知識とスキルでまとめていますし、具体的に何を学ぶか・どう成長機会を設計するかは、業界経験者の自己成長機会の作り方でも書いています。
実際にこのフェーズを通る人を見ていると、踊り場期間は1〜2年くらいが多い印象。報酬の水準も、現役プレーヤー時代と比べて維持か少し上がる方が多いです(業務委託の単価が職位給より高いケースが多く、稼働量を保てれば収入は落ちにくい)。
踊り場の先の進路は人それぞれで、他業界に転職する人、フリープランナーとして委託中心で続ける人、もう一度結婚式場の社員に戻る人、この3パターンがバランスよくいるなというのが肌感です。完全に独立して自分のブランドを立ち上げる方向に行く方は少なめで、踊り場をつくることで「自分は結婚式の現場が好きなんだな」と再確認するパターンも結構あります。フリーランスから正社員に戻るルートが増えている背景についてはこちらの記事で整理しています。
業務委託の働き方は大きく4つの類型に分かれます。
- プランナー経験者の副業(月5〜15万円・新規4〜8接客)
- プランナー経験者の複業(月20〜40万円・新規10〜20接客)
- 委託専門フリープランナー(月30〜50万円・新規15〜25接客)
- ブランド運営型フリープランナー(月20〜40万円・新規10〜20接客)
正社員を続けながらの副業からスタートする人もいれば、いったん完全独立する人もいる。月5万円から月50万円まで稼働量・報酬額の幅も広いので、自分のライフスタイルや生活コストに合わせて調整しやすい働き方です。
実際のイメージは副業のおかげで私生活が充実している!深谷香織さんのケースのような事例にも書いているので、ぜひご覧ください。業務委託案件ごとの報酬や稼ぎ方はウェディングプランナー業務委託の報酬相場と6つの稼ぎ方でも整理しているので、関心がある方はこちらもどうぞ。なお、踊り場期の働き方バリエーションや勤務時間の整理はプランナーの勤務時間・労働時間と3つの働き方モデルでも詳しく整理しています。

まとめ — セカンドキャリアは「逃げ」ではなく「設計」
ウェディングプランナーのセカンドキャリアには様々な選択肢があり、それぞれにメリットもデメリットもあります。
人材業界など他業界への転職は今でも有力な選択肢ですが、フリープランナーや業務委託フリーランス、職種チェンジする方も増えてきており、自分にフィットする働き方を探していき、その中で年収ややりがいの変化も求めていく、こんな考え方をすることが主流になりつつあるなと感じています。
大事なのは、適齢期に気づいたときに、いきなり大きな決断をするのではなく、踊り場を一度設計してみるという発想を持つことなのかなと思います。「逃げではなく設計」というのは、そういうことだと思っています。
今回の記事ではほとんどご紹介しませんでしたが、ウェディングプランナー経験者の業務委託案件での働き方に興味がある方、自分だったらどんな働き方ができるのかとお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せください。






































































































































