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2023/09/27

ウェディングプランナーから人材業界への転職って実際どうなの?

こんにちは、アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

当社で運営している結婚式場とウェディングプランナー経験者の業務委託マッチングサービス「Wedding Me Works」での事例から、ライダル業界から人材紹介への転職するケースについてをお送りします。

 

人材業界とは?

最近ブライダル人材(特にウェディングプランナー経験者)が人材業界へ転職していくことが多いなと感じています。統計的なデータはないですけど。皆さんの周りにもいないですか?

人材業界には人材紹介や人材派遣、求人広告営業、人事コンサルティングなどいくつか種類がありますが、この中でウェディングプランナー経験者が多く転職していくのは人材紹介の企業です。

人材紹介業はいわゆる転職エージェントで、大手だとリクルートエージェントやDODAなどが有名ですし、業界特化型や職種特化型、若手特化型など特定の対象人材だけに求人・求職者をフォーカスして運営されているエージェントなど様々あります。

人材紹介の基本的なビジネスモデルはゼクシィなびのような式場紹介エージェントとほぼ同じで、カップルを求職者、式場を採用企業に置き換えて考えるとわかりやすいと思います。

自社サービスに登録してくれた求職者と面談し、求職者に合う求人を紹介、応募意思をもらったら企業と求職者が面接をするための日程調整などを行い、無事に内定、入社となったら紹介先の企業から紹介料をもらうビジネスですね。

主な業務は、求職者対応(面談、求人紹介、選考調整、内定者フォロー、等)と企業対応(営業、求人把握、求職者紹介、選考調整、等)の2つがあり、どちらか一方を担当する場合と両方を1人の担当が行う企業もあります。式場プランナーの分業制と一貫担当制の違い、のようなものです。

ざっと概要としてはこんな感じですが、では、なぜブライダル業界→人材業界への転職が多いのかを考察していきます。

 

ウェディングプランナー経験者の人材業界への転職が多い理由

土日休みになる

企業勤めでプランナーの仕事を続ける場合は土日出勤はほぼ必須と言えますが、人材紹介企業は基本的に暦通りの出勤で土日祝休みになるので、この点を魅力に感じる人が多い印象です。

5年くらい仕事を続けて土日の1日中バタバタしている環境に疲れてきた、土日休みの職種の人と結婚したのでパートナーと休みの日を合わせたい、などの背景の方が多いですし、実際に転職された方のお話を聞いていてもこれが一番重要だったと考えている人が多いなぁって感じはしますね。

年収が上がる

ブライダル業界から人材紹介企業へ転職すると、企業によっても差はありますが約100万円くらい年収アップするケースが多いなと思います。個人の感覚ですが、350万円→450万円、くらいのアップのイメージ。

ちなみにこの年収アップは転職したら個人の能力が上がる!など能力の高さに起因しているものではなく、業界のビジネス構造が違うこと&市場自体が伸びているからというのが理由です。

ブライダル業界で仕事を続けても管理職や支配人になる以外はなかなか年収アップが期待しにくいのが現状なので、これもよく聞かれる人材業界へ転職する魅力の1つ。

人生のターニングポイントに携わるという点でやりがいを感じられる

ブライダル業界の仕事が好きな人は、お客様の人生に寄り添いたいとか一生に一度の晴れの日のお手伝いがしたいとか、自分がこうなりたいという意志よりも誰かの役に立ちたいと考える、そしてそれを成し遂げられたときに仕事のやりがいを感じたりモチベーションが上がったりすることが多い印象です。

人材紹介業の転職支援の仕事は、結婚式ほどではないにせよ人生の中での分岐点の1つなので、迷ったり悩んだりする求職者の役に立てるという点でやりがいを感じる人が多いですね。

プランナー経験で得られたスキルを業務で活かしやすい

転職する際に多くの方が考えるのが「これまでの仕事の経験を活かしたい」ということ。そりゃそうですよね、せっかく何年も仕事をして経験もスキルも積んできたんですから、次の仕事でもそれを活かしたいと考えるのが自然です。

先に記載したCA職(求職者対応)の業務はプランナー業務との親和性が高いので、営業力、コミュニケーション能力、プロジェクトマネジメント能力などを活かしやすいと言えます。

人材企業側が採用しやすい、転職エージェントにおすすめされやすい

上記4つの理由を採用企業側の視点で見てみると、プランナー経験者は「現職年収が低いので採用しやすく、人材業界未経験でも即戦力ポテンシャルが高い魅力的な人材」に映ります。なので採用ターゲット人物像として注力しようとなりやすい。

またそれは転職エージェント側もそれを理解しており、かなり幅広いプランナー経験者に当てはまるのでおすすめしやすい&人材紹介業界自体が伸びているので募集求人数がかなり多いので、プランナー経験者が転職エージェントに登録すると高確率で人材紹介企業をすすめられるのも1つの理由です。

 

転職後の実際ってどうなの?

このトレンドは最近の始まった話ではなくて、10年前から増え始めているなぁという印象です。

ご存知の方もいるかもしれませんが、私も起業前は人材業界で働いた経験がありますし、これまで実際に転職をした人の”その後の”話もけっこう聞いているので、それを踏まえての個人的な意見を書いてみます。

結論としては、活躍するかどうかは人によってけっこう差があるので、人材業界に転職するなら仕事の中で何を大事にしているか?が大事だと思うよって感じです。

ITスキルや幅広い業界の知識は身に着けやすい

ブライダル業界の現場は今でもかなりアナログなオペレーションが多いですが、それと比べると人材業界はかなりシステム活用や業務効率化が進んでいるところが多いです。なので、ITスキルやWEBに関する知識は身につきます。というか身につけないと仕事になりません。

また、業界特化エージェントでなければ様々な業界の求人について理解しなければ求職者に求人提案できませんので、社会一般の常識や幅広い業界についての知識も身につきます。この点で、「社会人としての基礎能力」が成長している人は多いなと思います。

ノルマがきつい

社風にもよるんですが、人材紹介企業はブライダル企業よりも個人目標数値、KPIや行動量の基準数値が明確に決まっている会社が多いと思います。なので、今月の売上目標はいくらとか、担当人数は何人とか、架電数は何本とか、かなり細かく管理されますし未達時には詰められます。

これは結婚式場が完全に待ち営業で業務量が集客に依存するビジネスモデルなのに対して、人材紹介の場合はDBにアクセスできれば自分次第で行動量を担保できるから、というのも1つの理由です。

また、給与のスタートラインが高い分、目標未達時に減給になったという話も普通に聞きますし、達成するための上司からのプレッシャーがかなりきついこともあるようです。まぁ達成すればいいだけの話なんですけど、そういうハードな環境に慣れていない人だとしんどいと感じる人もいるようです。

オペレーションが極めてシステマチックで仕事の面白味を感じにくい、作業員化しやすい

人材紹介企業は大手だと特にオペレーションがかなり精緻に設計されています。登録が入ったら3分以内に電話をかける、面談は何分以内に完了する、面談データはSalesforceのどこどこに入力する、など。

また月間で30人以上のサービス登録者と面談をするということもけっこう普通なことなので、いかに最小工数で転職をさせるかという視点で考えて業務は設計されています。

さらに最近では特にオンライン面談や電話面談も当たり前になってきたので求職者と会わずに転職支援をすることも珍しくないので、人生の転機に役に立ちたかった、求職者に寄り添いたかった、みたいなモチベーションで転職すると、全然雰囲気違うやんけ!とギャップを感じる人もいますね。

ビジネスモデルの違いからやりがいを感じにくい

ウェディングの仕事はお金を支払ってくれる人と業務で対応する人は同じです。お客様=カップル。
一方、人材紹介はお金を支払うのは企業、しかし主に対応するのは求職者、という関係なので、求職者にいくら寄り添っていいキャリア相談に乗っても、最適な求人を紹介しても、結果的に転職しなければ1円の売上にもならず評価もされません。

自分の気持ちを乗せたい対象者とお金を払ってくれる人が同じか違うか。

ここがブライダルとの大きな違いで、この辺りを割り切れる人なら何の問題もないのですが、求職者に寄り添って人生の転機の支援をしたいと思っていたのに実際は企業の方を向いて仕事をしなければならない、という矛盾というか違和感というかなんか違うな感が少しずつ出てきて、転職後数年くらいで飽きる人も一定数いるなぁとは感じます。

***

なので、サバサバビジネスライクで業績大事!みたいなブライダル企業出身者は人材業界に転職しても活躍することが多いですし、お客様満足に振り切ってお気持ち全開!みたいなブライダル企業出身者は文化の違いで苦労する人が多い印象です。

ちょっと棘のある書き方しましたけど、雰囲気伝わるといいな、と。

 

ウェディングプランナーから人材業界への転職についてまとめ

ウェディングプランナー経験者が人材業界へ転職するケースが多い理由とその後の活躍についての所感をまとめました。

先輩や同僚が人材の仕事へ転職したという方も多いかと思いますが、この流れはもう少し続きそうかなと思います。

今回ご紹介したような転職支援も含めて、自分にとってのキャリアでお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せください。

この記事を書いたライター

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