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2022/10/20

ウェディングプランナーの業務委託契約・業務委託契約書の特徴や注意点とは?業務委託契約書で確認するポイントについて

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ウエディングプランナーの仕事のなかで、業務委託契約による求人が増えてきています。

仕事を始める際には、安心して仕事をするために、契約書といった書類の形で業務の詳細内容や報酬の決まり方・支払われ方について定めておくのが重要です。

業務委託契約の特徴をチェックし、契約書を締結する流れや確認するポイントをおさえて、安心して仕事に集中できる環境を作りましょう。

 

業務委託契約の特徴

業務委託契約とは、一定の業務の遂行や仕事の完成を目的として委託をする契約です。

一般に仕事を発注する企業を「委託者」、仕事を受ける個人を「受託者」と呼びます。

委託者である企業の指揮監督がない点で、一般的な雇用と分類されます。

委託者と対等な立場で受託し、仕事をこなしていくのが業務委託の特徴です。

業務委託は、雇用ではないため労働法の規制はなく、下請法などの規制があります。

なお、仕事を発注する企業の指揮監督がある場合は、業務委託の契約名がつけられていても雇用契約とみなされ、労働基準法などの規制を受けることがありますので、注意しましょう。

 

業務委託ではなぜ契約書を作成するのか

法律で契約書の作成が義務付けられている一部のケースを除いて、ほとんどの業務委託契約は、口頭でも法的に成立します。

それでもなお契約書を作成するのは、以下で説明する理由によります。

仕事を発注する企業の信頼度を高める

きちんとした契約書があらかじめ用意されているかどうかは、企業の信頼に大きな影響を及ぼします。

契約書の内容も、双方の利益となるようにきちんと考えられた内容であってはじめて、信頼するに足る企業といえます。

契約の法的性質の判断は難しい

業務委託契約は、民法上の準委任契約や請負契約として把握される契約ですが、世の中にある業務委託契約は様々な要素を含んでいるため、準委任なのか請負なのかを正確に分類するのは難しく、民法に定められる一般原則のみで判断していくのが困難な契約です。

契約書を作成して契約内容や約束事を詳細に定めておく必要性は高いといえるでしょう。

※準委任契約と請負契約の違いはこちらを確認

ウェディングプランナーの新しい働き方「業務委託」とは?業務委託契約について簡単にわかりやすく解説

トラブルの防止や対処に有効

契約書によって、契約締結の事実や内容を証明する証拠がはっきり残ります。

また、当事者双方が受け取るべき利益と不利益を明確にしていれば、相手方もむやみに苦情を訴えたり、提訴したりできません。

下請法上、一定の条件下で企業に書類交付義務がある

下請法の規定により、一定の条件下において、「製造委託」「修理委託」「情報成果物の作成委託」「役務の提供委託」の契約をする都度に、親事業者である企業は、個人事業者を下請事業者とみて、契約内容を記載した書面を直ちに交付する義務を負います。

 

業務委託での契約書の確認ポイント

契約書をもらったら、業務委託で仕事を受ける側として、契約するうえで重要なポイントをチェックしておきましょう。

業務の内容について

業務の内容により、契約に基づく受託者の義務の範囲が決まるため、大変重要です。

仮に抽象的な記載しかされないと、後に委託者から過度な要求がなされたり、委託者の意図した結果が出にくくなったりします。

契約書には、業務委託の内容をできる限り具体的に記載してあるか確認しましょう。

委託する業務の内容が専門的な内容で、契約書への明記は難しい場合には、例えば「覚書」や「添付資料」といった、業務内容だけを明記した書面を別に作成し、分かりやすくするのもよいでしょう。

業務の成果物について

業務遂行による成果物には、所有権や知的財産権といった財産価値が生じる場合もあります。
トラブルを避けるために、業務遂行の成果がどの時点で誰のものになるか、しっかり確認しておきましょう。

報酬について

報酬や支払われる対価について、その内容を契約書に明記しておく必要があります。

報酬としていくら支払われるのかを示す報酬額については、あらかじめ「報酬額〇〇万円」と特定する形、「1組の接客〇〇万円」「1人あたり日給〇〇万円」といった報酬の算定方法を定める形のどちらでも構いません。

また、報酬をいつどのような方法で支払うのかについても記載し、確認しましょう。

本来は労務の提供への対価として後払いが原則ですが、業務遂行の必要性などの理由で、前払いとすることもできます。

損害賠償や契約の解除について

業務委託契約による法律上の義務や責任、どのような際に契約の解除ができるかは、民法上の性質(準委任か請負か)によっても異なりますし、判断が難しくわかりにくい部分です。

当事者の一方に契約違反や不履行があった場合の損害賠償責任や額について、無条件解除可能な期間や条件について、契約書に記載しておくのは非常に役に立ちます。

仕事を受ける立場で関与するのは難しい部分かもしれませんが、できるだけ確認しましょう。

契約期間について

業務委託が準委任契約の場合は、委任の契約期間をはっきりさせなければなりません。

契約の更新の定めについても確認しましょう。仕事の完成を求められる請負契約の場合は、仕事の完成目安として期間を記載しておくと安心です。

 

契約書の契約手順について

ほとんどの場合、仕事を発注する企業の主導により、契約書を作成していくケースが多いでしょう。実際の契約手順について紹介します。

1.契約内容の確認

主要な項目(業務の内容、仕事の納期や期限、報酬の金額や支払情報、その他の条件など)について、あらかじめ明確にするために打合せします。

業務によっては、見積書を先に作成しておく場合もあるでしょう。

2.契約書のドラフト作成と確認

通常は仕事を発注する企業がドラフトを作成し、メール添付などで送ってもらった文書をチェックして確認します。

問題があったならば、訂正したワードファイルを送るなどの方法で修正しましょう。

3.契約書の押印や製本、取り交わし

書面の場合は署名押印もしくは押印し、製本します。書類が複数枚に及ぶ際には隣のページとまたがるように印鑑を押す契印をします。2通作る場合や、契約書に別書類となる覚書などを添付する場合には、割印をします。

昨今のデジタル化加速の動きから、電子締結も増えてきていますので、環境が整うならば電子署名を利用した電子契約サービスによる契約締結もあるかもしれません。

4.印紙の貼付

書面で契約書を締結すると、業務委託契約のほとんどの場合に印紙税がかかり、印紙が必要になります。

業務委託が請負契約にあたる場合には、記載された金額(報酬額)に応じて200円以上の印紙が必要です。金額の記載がない場合でも、継続的取引の基本となる契約書として4000円の印紙が必要となるか、そうでなくても200円の印紙は必要です。

業務委託が準委任契約にあたる場合には、継続的取引の基本となる契約書として4000円の印紙が原則必要であり、例外として契約期間が3か月以内でかつ更新の定めのない場合に印紙が不要となります。

印紙税については、課税文書の作成者が納めるとされていますので、共同で作成した場合は仕事を発注する企業側と半分ずつ負担するのが法律の原則ですが、厚意により企業側が負担する場合もあるでしょう。

なお、電子契約では印紙税はかかりません。

 

結婚式場とウェディングプランナーの契約書

Wedding Me Worksを利用している企業のほとんどは、以下のような流れで契約を締結します。

1.初回面談、会場案内

最初は対面またはオンラインで面談をします。結婚式場で実施する場合はそのまま会場を案内してもらうこともあり、面談の中である程度合意に至りそうな場合は口頭で条件を提示されることもあります。

2.契約書の提示、内容の確認

結婚式場運営企業から契約書を提示、それをプランナーが確認し合意する旨を企業側に伝えます。もし内容についての不明点や確認事項がある場合は締結前に企業担当者に連絡をします。

3.契約の締結

契約書の内容に両者が合意した後、契約を締結します。契約書を2部作成し両者が押印したものをそれぞれ1部ずつ保管するという形態を取っている企業が多いですが、一部の企業ではクラウドサインなどの電子契約も取り入れています。

 

ウェディングプランナーの業務委託契約書についてまとめ

企業に雇用されて社員として働いている時は、契約書に触れる機会もなかなかないですが、フリーランスで働く場合は契約書の内容確認や締結作業も自分で行うことが必要になります。

Wedding Me Worksでは契約書に関する相談なども含め様々な側面から働きやすい環境づくりを目指していますので、業務委託契約での働き方に興味があるプランナー経験者の方はぜひお気軽にお問合せください。

この記事を書いたライター

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