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2022/04/12

ブライダル業界の新しい採用方法とは?withコロナ、afterコロナで見出す「有能な人材」

コロナ禍でブライダル需要が大きく減少し、稼働する人員が大幅に減少している会場が多いなかでも、今後を見越したイベントや急な需要過多によりリソースが足りず、優秀な人材を急募している企業もある。特に主力会場での新規接客のリソース不足は、利益を上げる機会をみすみす失う結果になるため「確実」かつ「優秀な経験者」を確保したいと支配人は考えるだろう。

そこで、業務委託のメリットを最大限に活かせるよう、実績を厳正に審査しパスした業界経験者のみ登録可能なブライダル業界専門の人材マッチング仲介サービス『Wedding Me Works』が2021年9月にリリースされた。画期的なのは、煩雑な業務委託プランナーのシフト&実績管理の手間を、人を介さずパソコンの画面上ですべて完結させ、かつ急な人員不足にも対応できるシステムサービスだ。

2021年リリース時より本サービスを導入している株式会社エスクリの「ラグナヴェール東京」支配人・江原さんに話を聞いた。

『お話を聞いたひと』

お話を聞いた人

【江原さん】
キャリアはホテルサービスが出発点。その後レストランの立ち上げに参加し、ブライダルサービスに本格的に加わって以降、ブライダル業界の第一線で働く。

2011年に株式会社エスクリに新規リーダーとして入社。MG副支配人を経て2015年より支配人として、神戸、表参道、大阪駅、広島の会場を経験。現在は八重洲にある「ラグナヴェール東京」会場にて、日々ブライダル業界を担う人材育成と確保に心血を注いでいる。

「間にひとが介在しない」プランナーと業務委託提携するのに画期的なシステム

コロナ禍の煽りで社内のウェディングプランナーの離職が進んだために、公式リリース前の2021年7月から『Wedding Me Works』の導入を決定しました。

フェアやイベントの際に社内でリソースをまかなえず、新規接客の機会を逃すケースが続いており、とにかくまず「人員が足りない際の補填ができれば…」といったイメージが大きかったですね。

『Wedding Me Works』を利用して最初に驚いたのが、システム手数料の安さです。
今までも、他の法人から業務委託契約のウェディングプランナーを仲介して頂くサービスを利用していました。

しかし「ひとがシフトに介在する際の料金」と「システムで依頼可能なシステム使用料」に、ここまで差が出るとは思っていなかった。
おかげで、結果を出してくれたウェディングプランナーに還元できる金額が大きく変わってきますし、明らかにプランナーの仕事に対するモチベーションが変わってくると感じています。

もうひとつ、『Wedding Me Works』のシステムを導入したメリットを最も感じているのは、リソースを揃えるシフト管理の際の出勤依頼の手間が、圧倒的にスムーズなんです。

弊社と業務委託契約をしている全プランナーの1カ月のシフト希望日を、パソコン画面上で一括で見れるので、何よりまずシフトが作りやすい。間にひとが仲介していないから、出勤に関してはこちらですべてのやりとりが可能です。

また、急なリソース不足の際にも、3日前までであれば出勤依頼をかけられるため、プランナー側が確認して承認してくれればOKです。ひとりひとりに電話で確認したり、メールで打診する手間が一切なくなりました。

おかげでイベントなど「どうしてもリソースを揃えたい」といったタイミングで、人員がしっかり揃えられるようになりました。

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業務委託プランナーへの認識が変わった!人材不足を補う以上に感じたメリット

『Wedding Me Works』を通じて繋がったウェディングプランナー全員が、とにかく「業務に積極的に関わろう」「いま働いている会場を知ろう」と、自社社員と同様に接してくれるのに驚きました。

今までも複数のウェディングプランナーと業務委託契約を結んでいた経験があります。
ですが、働き方的に「時間内のみしっかり働けばいい」と、どこか割り切ったドライな面を感じる場合もあり、自社の社員もどこまで関わるべきか、お互いの距離感を掴みあぐねていた部分もありました。

そんななかで、自ら積極的に他の社員と明るく関わってくれる方たちばかりで、私たちも業務委託のプランナーとの新たな関わり方を見出したと感じています。

接客中に共に相談し合い、協力的かつ建設的に会話ができる関係性が築けているのが嬉しくもあり、心強いですね。他社のひとの感覚がない。同じ会社の仲間である意識が強くなりました。

また、業務委託のプランナーが育ってきた環境の違いから感じる接客のテクニックや、身にまとう雰囲気の違いも、自社のプランナーへの刺激になっています。

業務面での疑問だけでなく、会場にあった新規接客での成果の出し方を積極的に聞いてくれる点や、今後を見定めた成約したお客様の丁寧な引き継ぎ…。

業務を円滑にするための重要なコミュニケーションが、とても丁寧でスムーズなんです。
もちろん、成果をあげればその分リターンが大きい『Wedding Me Works』システムの恩恵もあるとは思いますが、システム登録前の『Wedding Me Works』による事前面談を通ってきた、人柄の確かさを実感しました。

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成長する業務委託プランナーの姿に「現場の今後の課題」も見えてきた

弊社の都内会場の多くは主要駅からアクセスの良いビルインタイプの特色があり、「他社の経験豊かな方でもすぐに新規接客で実績を出せるのか」というと、難しい部分もあります。

実際『Wedding Me Works』を通じて契約を結んだプランナーの方々も、最初は今までの接客スタイルとの違いに戸惑いを感じているのが接客を見ていてわかりました。

ところがそこで、心が折れたり割り切ってしまうのではなく「御社の新規接客を学びたいので、良かったらお時間を作ってくださいませんか」と申し出てくれた方もいたのが嬉しかったですね。

マージンだけでなく、ここでしっかり働きたい<気持ち>を感じました。
実際に勉強会を開いた後は、めきめき実績もあがり、さらに元々持っていた自身の接客の良さも上手に活かしているレベルの高さを見て「安心して任せられる」と手ごたえを得ました。

おかげで、もっと弊社としても、積極的に業務委託プランナーの方に自社プランナーと同様の勉強会の機会を持ったり、お互いが意見交換できる場を作っていく場を整備していく必要性がある…と考えが変わりつつあります。

また、業務委託プランナーの働き方や接客スキルを見て「今まで弊社の方針で“よし”としていた考え方も、実は今の状況にあっていなかったり、もっとよくできる部分があるかもしれない」と考えるきっかけにもなっています。

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目指すのは自社プランナーと業務委託プランナーがより輝ける「働きやすい職場づくり」

今後、業務委託の雇用形態で弊社でウェディングプランナーに活躍してもらう場は増加していくでしょう。

さらなる先を見据え、お互いの良い部分をフィードバックしあい、お互いを高めあえる関係性であると思ってもらえる職場を作っていきたいと考えています。

ウェディングプランナーとしての経験や技術を持つ方の働き方が変わってくるのは感じていましたが、コロナ禍を通じ流れはさらに加速している。

自社と業務委託の働き方や環境、学びの場、働きやすさに、差がないよう、できるところから務めていきたいですね。会場側が「業務委託だから好きに働いて、好きに結果出してくれ」的なスタンスと環境では、とても働きづらい環境になってしまうでしょう。

自社プランナーと雇用形態こそ違えど、できるだけスキルを学べる条件や環境の下で仕事ができ、結果がでるようになるよう整えてあげたいですね。

そのために何ができるか、『Wedding Me Works』を通じて知り合ったプランナー達のお陰で、考えるきっかけができました。

この記事を書いたライター

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