ブライダル業界でフリーランスから正社員に戻る人が増えている理由
もくじ
こんにちは、アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
当社で運営している結婚式場とウェディングプランナー経験者の業務委託マッチングサービス「Wedding Me Works」での事例などをもとに、フリープランナーから正社員に戻る人が増えている理由についてお送りします。
そもそもなぜフリーランスが増えたのか?
次のような社会的背景から、日本でもフリーランスとして活躍される人が増えてきました。
- インターネットの普及とテクノロジーの進化によって、場所を問わずに働ける環境が整ったこと
- リモートワークが一般化し、オンラインプラットフォームを通じて仕事を受注・提供することが容易になったこと
- コロナ禍によって働き方の変化が一気に進んだこと
- 企業もフリーランスを活用することで柔軟に人材を確保できるため、フリーランス人材の需要が増加したこと
- 政府の「働き方改革」による長時間労働の是正や多様な働き方が推進されたこと
- クラウドソーシングやフリーランスマッチングサイトの登場により、スキルシェアリング経済が拡大したこと
- 一つの会社で定年まで働くという従来のキャリアモデルから、多様なキャリアパスを模索する動きが強まってきたこと(キャリアの多様化)
この流れは日本全体で起こってきており、ブライダル業界も例外ではなくフリーランスとして活動する人が増えてきています。特に2020年代に入ってからはその傾向が顕著だと言えます。
現在では多くの企業でフリープランナーと契約しており、新規接客や施行担当(打合せ)に限らず、ブライダルイベントでの接客や人材育成など、多岐にわたって活躍しています。
ブライダル企業とフリーランス・副業プランナーのマッチングを支援するWedding Me Worksもサービス立ち上げから3年の間に大きく成長し、このニーズはしばらくは続くのではないかと思っています。
フリーランスから正社員に戻る人が増えている理由
しかしその一方で、2020年代中盤に入ってきてからは、逆にフリーランスから企業に再就職する人も増えてきていて(転職、ともいいますね)、その理由は大きくは4つあると考えています。
1.企業側が採用回帰になりつつある
2020年代前半は積極的に外部人材を活用しようという企業が多かったのですが、コロナも落ち着き2023年と2024年の新卒採用を強化したことから、外部人材活用よりも採用を重視する方針に戻している企業が増えてきています。
その結果として、フリーランスになっても安定して仕事を獲得することが難しくなり、社員に戻ることを決意する人が増えてきています。募集も増えましたし。
2.募集職種が広がってきている
ブライダル業界のビジネスモデルも変化してきており、以前のような直営店の運営だけでなく、会場単位の運営受託事例やプロデュースモデルのサービスの成長などが目立つようになってきました。
この背景から募集される人材もプランナー業務を期待する役割だけでなく、M&A企業との折衝や現場ディレクション、法人営業など様々な職種が水面下で求められるようになってきつつあり、フリーランスを経験したことが強みになるケースが増えているのも一因と言えます。
3.一人よりも会社の方がやりたいことができる
フリーランスとして個人で活動するとどうしても活動量やできることに限界がありますが、チームとして動くことでその範囲を広がり、より自身のやりたいことの実現に近づくこともあります。
そうしたケースだと、法人化して仲間を集めたり、または数人でチームを組んで法人化したりして社員として活動する人も出てきています。
4.フリーランスのメリットよりリスクの方が大きく感じてしまう
経済的な不安定さ、社会保障と福利厚生、ワークライフバランス、確定申告など手続きの煩わしさなど、フリーランスであることのリスクを大きく感じるようになってしまい、(ある程度)安定した正社員に戻りたい、と思うのもいつの理由です。
今後ブライダル業界の人材バランスはどうなるのかの予想
- フリーランスとして独立する人
- フリーランスから正社員に戻る人
この両方が同じくらいの規模感になって、最終的にはフリーランス人口の均衡が保たれるようになるんじゃないかなぁと予想しています。
フリーランスと正社員は対立構造を作りがちでお互いに煽り対象になることも少なくないのですが、結局のところ、それぞれ個人が「働く上で今何が一番大事なのか?」によってどの働き方が適しているかの話であって、優劣があるものではないと思うんですよね。
なので、全体間で捉えると割合は変わらず(マーケットサイズに相関して緩やかに減っていくとは思います)、でも個人個人で見ると自身のライフスタイルに合わせて選択できている状態が理想かなと思います。
ブライダル業界でフリーランスから正社員に戻る人が増えている理由まとめ
ブライダル業界の人材マーケット環境はかなり早く変化してきており、従事者側の働き方の観点、企業側の人材リソース確保の観点、いずれの観点からもキャッチアップしていくことが重要になっていくと思います。
ブライダル業界でのフリーランスとしての働き方(Wedding Me Works)はもちろん、転職支援の人材紹介サービス(Wedding Me Career)も運営しておりますので、もしご相談あればお気軽にお問合せください。また、ウェディングプランナー経験者の業務委託案件での働き方に興味がある方、自分だったらどんな働き方ができるのかとお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せください。