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2024/02/09
更新: 2026/08/30

結婚式場の数はこれからどうなる?最新データで読み解く業界推移とウェディングプランナーの働き方の未来

こんにちは、アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

当社で運営している結婚式場とウェディングプランナー経験者の業務委託マッチングサービス「Wedding Me Works」での事例や、ブライダル業界全体の最新データから、結婚式場の数の推移とこれからの業界の見通し、そしてウェディングプランナーの働き方の未来についてお送りします。

※この記事は2024年2月に書いた後に、2026年4月にリライトしたものです。2024年の記事執筆時は「結婚式場は減っていく」と書きましたが、2年が経ち業界の状況はどう変わったのか、最新データで答え合わせをしながら整理していきます。

結婚式場の数が減っている3つの背景

少子化、婚姻率の低下、結婚式実施率の低下。この3つが同時に進んでいる厳しい環境下で結婚式場数が年々減少傾向なのは、みなさんご存じのとおりかと思います。

1972年のピーク時には約110万組あった婚姻数は、2024年には48.5万組、2025年には48.9万組(人口動態統計・概数)と、約半世紀でほぼ半減しました。コロナ禍の反動で2024年・2025年と2年連続で微増しましたが、それでも戦後3番目の少なさという水準です。婚姻数や結婚式の実施率といった需要側の統計は、データで見るブライダル業界の市場規模と結婚式市場で年次データとして詳しく整理しています。

そこに加えて結婚式実施率も年々低下しており、ナシ婚や少人数婚が一般化して結婚しても結婚式を挙げない人が増えてきています。「結婚する人」が減り、その中の「結婚式を挙げる人」もさらに減る。式場にとっての潜在顧客はダブルで縮んでいる構造です。

その結果として、結婚式場業の倒産や休廃業の合計件数は、2018年までは新設法人数とほぼ同水準で推移していましたが、2019年以降は新設が減り退場が増える状態が7年連続で続いています。東京商工リサーチの調査によると、ドレスや美容まで含む広義のブライダル産業では2024年度に倒産13件・休廃業/解散37件と年度最多を更新し、結婚式場業に絞った2025年の集計でも倒産5件・休廃業/解散13件と、退場超過の基調が続いています。

市場規模で見ても、矢野経済研究所の調査では2025年のブライダル関連市場(主要5分野計・見込)は約1兆5,786億円で、前年比99.9%とほぼ横ばい。挙式披露宴は微減が続いており、市場全体が拡大に転じる気配は見えていません。なお2026年発表分から集計対象が6分野から5分野に再編されたため、過去の公表値との単純比較はできません。

結婚式場の数は、実際どのくらい減っているのか

NTTタウンページの電話帳データベースに「結婚式場」として登録されている件数は、2013年の4,724件から2022年には3,252件まで減りました。9年間で約1,500件、率にして約3割の減少です。2019年までは年150件前後だった減少ペースが、コロナ禍を挟んだ2021年・2022年には年200件超に加速しています。

市場規模も同じ形です。帝国データバンクの調査によると、結婚式場業に絞った市場規模はピークだった2018年度の6,163億円から2020年度には2,767億円と半分以下に落ち込み、2024年度は4,800億円前後まで回復したものの、ピーク比では8割弱の水準です。先ほどの矢野経済研究所の約1兆5,786億円はドレスやジュエリーなども含む主要5分野の合計なので、式場ビジネス単体で見るとこちらの規模感になります。

指標 ピーク・起点 直近
結婚式場の登録件数 4,724件(2013年) 3,252件(2022年)
結婚式場業の市場規模 6,163億円(2018年度) 4,800億円前後(2024年度)

※出典: NTTタウンページ「タウンページデータベース」/帝国データバンク「結婚式場」業界動向調査(2024年度)

式場ビジネスの市場規模は「婚姻件数 × 挙式実施率 × 組単価」の掛け算に分解できます。婚姻件数は半世紀でほぼ半減、実施率も下がり続けており、3つの変数のうち上がっているのは組単価だけです。経済産業省の統計でも、結婚式場業の取扱件数はコロナ前から減少が続く一方、単価の上昇で売上高は横ばいという構図が示されています。件数の減少を単価で埋めている状態なので、単価の上昇が止まれば売上の縮小が表面化する。会場数の調整はまだ道半ばと見るのが妥当だと思います。

結婚式場経営が苦しい構造的な理由

先述の3重苦で需要首位苦笑が続く上に、これ以外にも2つの構造的な理由があります。

1つ目は、結婚式場運営が固定費の重いビジネスであること。賃料、人件費、設備の減価償却といった費用は、売上が下がっても簡単には減らせません。さらにここ数年は食材費や光熱費の高騰、人件費の上昇が重なって、組単価を上げてもコスト増を吸収しきれない事業者が増えています。東京商工リサーチが「利益なき繁忙」と表現した状態もこのような背景があります。

2つ目は、賃貸借契約の更新タイミングでの撤退判断。2024年にこの記事を書いたときにもこの仮説を言及していたのですが、2年経ちこの流れはむしろ強まってきていると感じています。

結婚式場の運営は、賃貸借契約で物件を借りるパターンと、土地・建物を保有するパターンに大別されます。ビルインタイプや商業施設内の式場はほぼ前者です。一般的な賃貸借契約は10年単位で、更新すると次の10年以内に撤退すると違約金が発生する。市場の先行きが見えない中で「今のうちに撤退しよう」と判断する経営者が増えているのです。地方では事業承継の問題もここに重なってきます。

このように、市場縮小以外にもビジネスモデルに起因する要因もボディブローのように効いてきており、粘るか?損切りするか?の判断を迫られる経営者も少なくないのです。

倒産だけじゃない、M&Aと事業譲渡で「式場の看板が変わる」流れが加速している

昨今の業界で起きているのは倒産だけではありません。M&Aや事業譲渡で「運営主体は変わるが式場は残る」ケースが、2024〜2025年にかけて一気に増えています。

主な事例を挙げると以下の通りです。

  • ノバレーゼ × エスクリの経営統合(新社名「オンザページ」、2026年4月1日合併)プレスリリース
  • テイクアンドギヴ・ニーズが、エルフラットの名古屋2会場を譲受(2025年10月)プレスリリース
  • エスクリが、スタイルズの「KIYOMIZU京都東山」「ラソールガーデン名古屋」を譲受(2025年8月)
  • アルカディアが破産、BPが福岡天神の旧施設を譲り受け2026年秋に再オープン予定プレスリリース
  • 金沢の式場運営「かづ美」が破産(負債約30億円、2025年3月)
  • CRAZYが、スタイルズから「横浜マリンタワー」のウエディング・レストラン事業を承継(2025年12月)
  • TKPがノバレーゼをTOBで子会社化(2024年12月)
  • IBJがデコルテHDをTOBで子会社化(2025年12月)

とくにノバレーゼ×エスクリの統合は、TKP傘下で売上規模約450億円、ブライダル事業約391億円の国内最大級グループが誕生する大型再編。両社の出店エリア(ノバ=地方中核都市、エスクリ=政令市)と施設タイプの違いを考えると、シェアを伸ばしやすい組み合わせだと思います。

個別の所感はnoteの記事で詳しく書いたので、業界経営者視点で深掘りしたい方はそちらをどうぞ。

最近のニュースで「倒産」だけが目立ちますが、実際には「事業譲渡」「M&A」「TOB」などで運営主体が変わるケースも少なくなく、「式場がなくなる」だけでなく「式場の看板が変わる」流れも進んでいるのが現状です。個社ごとの再編・撤退の動きはブライダル業界の再編・M&A・倒産の動向一覧で随時整理しています。

結婚式場が減ると、何が起こるのか

結婚式を挙げる側への影響は、ほとんどありません。式場の供給が減るペースより挙式組数が減るペースのほうが速く、業界全体ではまだ供給過多が解消されていく局面だからです。「式場が足りなくて希望日に挙式できない」という状況は、当面考えにくいでしょう。

変化が大きいのは、残る式場側です。撤退した会場の需要は近隣の会場へ流れるため、生き残った式場は1会場あたりの施行組数を伸ばしやすくなります。東京商工リサーチが2026年6月に発表した集計では、主要な結婚式場運営企業48社の2025年の売上高は3,040億円(前年比1.8%増)、最終利益は前年比80.8%増と、集計値だけ見ればむしろ改善しています。ただし中身は一様ではなく、増収企業が54.1%ある一方で、減収企業は43.7%と前年の1.7倍に増えました。撤退した会場のパイを取り込めている式場と、取りこぼしている式場の差が開く二極化が同時に進んでいます。

一方で、閉じる会場の周辺では局所的な影響が出ます。そこで働くスタッフの雇用と、ドレス・装花・写真といったパートナー企業の取引は直接影響を受けます。業界全体では吸収できる規模でも、個々の人や企業にとっては大きな変化です。また、減少は全国で一様に進むわけではありません。婚姻自体が大都市圏へ集中する傾向が続いているため、人口流出が続く地方ほど会場の減少が先行しやすく、経営者の高齢化と事業承継の問題もそこに重なります。

これから業界はどう変わっていくのか? 5つの方向性

結婚式場の数が減る流れは止まらないでしょう。ただ、「業界の衰退」だけでは捉えきれない構造的な変化も同時に起きています。2024年に予測した5つの方向性を振り返ってみます。

① 結婚式以外でもマネタイズを目指す施設が増える → △ トライしている事業者は多いものの、結果が出ているところは多くはない。レストランや宴会への式場利用の展開は簡単ではない、という現実が見えてきたと思います。

② ニーズが変わりにくい施設は残る → ○ 神社婚や歴史的建造物での結婚式は予想以上に人気が安定しています。前年比10%減のマーケットでも前年比増を達成している会場もあり、文化財活用型の会場は希少性が武器になっていると言えます。

③ 会場を保有しないプロデュースチームが増える → ○ ここは想定通り増えました。個人で活動するフリープランナーやプロデュースチームが増え、施行ごとに会場を借りる軽い動き方の良さが目立ってきています。

④ ドレス・アイテム事業者の独自集客 → × これはあまりうまくいっていない気がします。式場が顧客接点を握る構造はまだ強く、川下の事業者が独自集客するのは想像以上に難しそう。

⑤ 運営受託案件が増える → ↑ 加速しました。特にホテルのブライダル部門を外部企業が運営するケースは目に見えて増えています。Plan Do Seeがホテル運営に進出するニュースもこの1〜2年で何件も目にしています。

ここまで挙げたように「業界が縮小する中で、勝ち残るプレイヤーと撤退するプレイヤーがはっきり分かれていく」、これが2026年時点の実態と言えるでしょう。

業界変化が進むと、ウェディングプランナーの働き方はどう変わるのか?

業界全体の縮小は今後もほぼ確実に進みますが、プランナーという仕事がなくなるわけではありません。むしろ「正社員1択」だった働き方が、複数の選択肢を持てる方向に広がっていくと予想しています。

事業効率化と会場数の減少で、業界全体での正社員雇用枠は中長期的に減ります。一方で、業務委託・副業・複業といった雇用契約以外の働き方は増えてきている。残る式場ほど「優秀な人に仕事を集中させる」傾向も強くなる。優秀な人にとってはむしろ機会が増える構造です。

Wedding Me Worksに登録される20代中盤〜30代前半のプランナーと話していると「このままこの仕事を続けてもいいのかな?と漠然と不安を感じています…、この仕事は好きだけど、これからどうしていいかわからない」という声もよく聞きます。給料は上がらないし仕事内容も変わらない、業界の見通しも明るいとは言えない。

以前の記事フリーランスから正社員に戻る人が増えている理由でも触れましたが、このような漠然とした不安を持つ若手プランナーを中心に、業界の働き方の選択肢は確実に変わってきていると思います。

衰退に向かう業界で、ウェディングプランナーが取れる3つの選択肢

業界の縮小局面でも、プランナーには複数の生き残り方があります。組み合わせ可能な3つの選択肢で整理します。

① 正社員として「これから残る式場」を選ぶ。固定費の構造が健全で、文化財・歴史的建造物などの差別化要素を持つ式場、もしくは規模拡大を進めるグループ傘下の式場は、相対的に安全度が高い。ブライダル業界の給与水準の構造を理解したうえで、勝ち残れる事業者を選ぶ目線が大事になります。

② 業務委託や副業で複数の式場と関わる。1社依存のリスクを分散しつつ、経験の幅を広げる選択肢。Wedding Me Worksの2026年の実績では、業務委託で月10万円以上の報酬を得ている方が繁忙期・閑散期を問わず25名を超え、月30万円以上の方も繁忙期には10名前後いる分布です。副業の入り口としての10万円台、これ一本で生計を立てる30万円超、ある程度狙って取りに行ける範囲です。具体的な働き方は業務委託ウェディングプランナーの仕事内容と報酬制度・報酬相場でまとめています。

③ 業界の外でブライダル業界で培ったスキルを活かす。対人コミュニケーションスキルや営業力、進行管理力は、他業界でも高く評価されています。ウェディングプランナーのセカンドキャリア|よくある転職先5パターンと選び方のリアルの記事で複数のパターンを書いたので、興味があればぜひご覧ください。

「終わる」のではなく「変わる」業界で、知恵を使って動こう

結婚式場が減っていく流れは止まりません。倒産や事業譲渡のニュースは、これからも一定の頻度で続くでしょう。

ただ、「業界が終わる」のではなく「業界が変わる」と捉え直すと、見える景色は変わります。正社員1択ではなく、業務委託や複業も選べる時代。残る式場で勝ち残ることも、自分の働き方を組み合わせて作ることもできます。動き方次第で、機会は増えてきている。

今回の記事ではあまりご紹介しませんでしたが、ウェディングプランナー経験者の業務委託案件での働き方に興味がある方、自分だったらどんな働き方ができるのかとお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せください。

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