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2023/09/25
更新: 2026/05/14

新卒のウェディングプランナーが3年~5年で退職・転職する理由

こんにちは、アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

当社で運営している結婚式場とウェディングプランナー経験者の業務委託マッチングサービス「Wedding Me Works」での事例などをもとに、新卒のウェディングプランナーが3〜5年で退職・転職を考える理由についてお送りします。

ウェディングプランナーとして新卒で入社し、3年から5年が経った頃に「辞めたい」「他の働き方を試してみたい」と感じるのは、業界内では決して少数派ではありません。Wedding Me Works に登録するプランナーと話していても、まさにこの時期に転機を迎えた経験を語る方が多くいます。

本記事では、新卒のウェディングプランナーが3〜5年で退職・転職を考えやすい理由を、業界の構造と現役プランナーの心情の両面から整理し、業界に残る選択肢の一つとしての業務委託契約という働き方についても触れていきます。

新卒ウェディングプランナーが3〜5年目で働き方を見直す象徴イラスト

ブライダル業界の退職・転職事情

ブライダル業界の離職率は他業界より高い水準にあり、新卒入社から3〜5年目で転職を考えるのは決して珍しいことではありません。

ウェディングプランナーは新卒人気の高い職種ですが、年収が会社差・職種差で大きく上がりにくい給与構造、土日中心の長時間労働、管理職以外でキャリアの幅を広げづらい構造、マネジメントを希望しない層の存在など、長く続けにくい理由がいくつか存在しているのも事実です。これらは個人の頑張りで解決しづらい部分が多く、業界全体としても課題感が長く共有されてきたテーマです。

そのため、3〜5年目で「辞めたい」「ほかの働き方を考えたい」と感じる人も多いですし、同じ時期に同じような悩みを抱えるプランナーは業界内に一定数います。ひとりだけが特別に悩んでいるわけではない、という前提でこの先を読んでいくと整理しやすいと思います。

3年~5年目くらいで退職・転職する人で特に多い理由

退職理由は「業務負担の増加」「管理職や支配人へのキャリアに魅力を感じない」「フリーランス事例の増加」「他部署への異動希望」「ライフステージの変化」「転職エージェント経由の他業界提案」の6つが多いと感じています。

1.業務負担の増加

2年目以降は新人扱いされなくなり、担当組数と責任が一気に増えていく一方で、給与の伸びは緩やかなため、相対的な負担感が大きくなります。

新卒入社からしばらくは先輩のサポートを受けながら担当組数も控えめに調整されますが、3年目以降は基本的に一人で業務を遂行することを前提に組数が増えていきます。新卒1〜2年目は月に2〜4組ペースだったところから、3〜5年目では月6〜10組程度まで増えることもあります。

さらに、新人や後輩のサポート役、新規接客の補助、クレーム対応や上長報告など、本来の担当業務以外の役割も増えていきます。業務量が積み重なる一方で、給与は職種・等級の上限に近づいて伸びにくくなるため、「以前より忙しくなっているのに、手取りが見合っていない」と感じやすい時期に入ります。

2.管理職や支配人へのキャリアに魅力を感じない

管理職に昇格すると年収は50〜100万円ほど上がる会社もある一方、現場メンバーと経営層の間に挟まれる立場・残業代が出なくなる・部下の評価をしなければいけない、といった精神的な負荷が増すため、昇格に魅力を感じない層が一定数います。

ブライダル業界の管理職は、現場の進行管理・売上目標の管理・部下のマネジメント・経営側との調整など、求められる役割が広く、現場接客の楽しさからは遠ざかりやすいと言えます。Wedding Me Works に相談いただくプランナーの中にも、現場の接客や打合せが好きで業界に入った方は多く、マネジメントよりも「現場のプロでい続けたい」と望む声を一定の割合で聞きます。

加えて、管理職になると残業代がつかないことも多く、昇格に伴う実質的な給与アップは想像より少ないケースがあります。「管理職になるくらいなら、現場のまま別の働き方を考えたい」という発想が出てくるのもこの時期です。

3.フリープランナーの事例を見る機会が増えている

SNS や口コミでフリープランナーになった同僚・先輩・後輩の事例を見る機会が以前より増えており、フリーランス全体の絶対数も緩やかに増え続けています。

ブライダル業界では、ここ数年で結婚式場の社員を辞めてフリーランスのプランナーとして独立する事例が増えました。同じ会社の先輩や同期、業界研修やイベントで知り合った同年代がSNSで活動を発信しはじめると、「自分にもその選択肢があるのではないか」と意識する人が増えていきます。

実情としては、フリーランスへ移行する人だけでなく、フリーランスからふたたび結婚式場の正社員に戻る人も増えています。出入りが起こりながら、全体としてはフリーランスの絶対数が緩やかに増えていて、「片道切符の選択」ではなく、ライフステージや市場環境に応じて行き来する人も少なくないのが現状です。

フリーランスの働き方そのものをもう少し体系的に知りたい方はフリーランスウェディングプランナーの3つの働き方 — ブランド運営・式場委託・併用型を、フリーランスから正社員に戻る動きについてはブライダル業界でフリーランスから正社員に戻る人が増えている理由もあわせて参考にしてください。

4.他部署への異動を希望する人が増える

同じ会社に残りつつ、現場の心理的・体力的な負担から離れられるマーケティングや人事部門への異動希望が増えていきます。

ブライダル業界の現場は土日祝の稼働が中心で、繁忙期は1日12時間を超える勤務になることも珍しくありません。ライフステージの変化や年齢を重ねるにつれて、土日休みのほうが過ごしやすい、現場対応の責任を直接負わずに業務にあたりたい、と感じるプランナーが増えていきます。

そこで選ばれやすいのが、社内マーケティング・広報・人事・事業企画など、平日中心で動ける部署への異動です。プランナーとして培った顧客理解・現場感覚は、こうした部署で重宝されることも多く、社内転換のルートとして機能しています。

ただし、異動希望が必ずしも通るとは限らず、社内事情で叶わない場合は、転職という選択肢に切り替わっていきます。

5.ライフステージの変化のタイミングと重なりやすい

新卒入社から3〜5年目は、結婚・出産・家族のことなどライフステージの変化と時期が重なりやすく、退職や転職の引き金になりやすいタイミングです。

土日祝中心・夜遅くまで続く打合せや式当日の進行で構成される働き方は、ライフステージの変化と相性がよくない場面が増えます。結婚を機に「平日休みが合わせづらい」と感じる方、子育てが始まって土日勤務を続けるのが難しくなる方、家族の事情で勤務地を変える必要が出てきた方など、きっかけは人それぞれです。

ここで一気にフリーランスへ独立するというより、いったん別職や別業界を挟みながら、数年単位でキャリアを再設計していく流れも広まりつつあります。退職から業務委託として戻ってくるまでに2〜5年程度のブランクや異業種経験を挟む人も多く、その間にマーケティング・カスタマーサクセス・人材系といった隣接職を経験するケースもよく見られます。

このあたりの「キャリアの踊り場」の過ごし方やセカンドキャリアの選択肢については、新卒からブライダル業界を経験した人材のセカンドキャリアの考え方で詳しく整理しています。あわせて読むと、本記事の H2 全体の見え方が立体的になるはずです。

6.転職エージェントに登録すると他業界をオススメされる

転職エージェントに登録すると他業界の案件を勧められやすいですが、実際は「他業界への転職」と「業務委託としてブライダルの仕事も続ける」の境目は曖昧で、どちらかを選ぶという状態ではなくなりつつあります。

ブライダル業界からの転職検討者を受け入れる業界として代表的なのは、人材業界(キャリアアドバイザー)、IT・SaaS 業界(カスタマーサクセス・インサイドセールス)、不動産業界などで、「土日休み・年収アップ」を訴求する案件が多く提示されます。エージェント側の構造として、これらの異業種が紹介されやすい流れがあります。

現場の動きを見ていると、人材業界や IT 系に進んだ後も、副業として業務委託でブライダルの仕事を続けるプランナーは一定数います。「ブライダルを完全にやめて他業界へ移る」「業務委託としてブライダルに残る」の二択ではなく、本業を他業界に移しつつブライダルを副業で続ける、ブライダル本業に戻る、また他業界に出る、といった行き来がかなり流動的に起こっているのが実情です。

また、ブライダル業界を離れるときに「業務委託という選択肢がある」と知っている人の割合は、以前と比べてかなり増えた印象があります。社員時代に外部の業務委託プランナーが現場に入ってくる場面が増え、自然と存在を知る機会が増えているのが背景です。エージェント経由で勧められる選択肢以外にも、業務委託というルートが視野に入りやすくなってきました。

新卒ウェディングプランナーが3〜5年目で退職・転職を考える6つの理由の放射状まとめ図

退職・転職する人が希望する条件とは?

転職先で求められる条件は「土日休み」「年収アップ」「汎用スキルの習得」の3点に集約されます。業務委託でのフィット度は、まず「年収アップ」、次に「土日休み」、最後に「スキルアップ」の順で、特にスキルアップは業務委託の構造上ほぼ実現できない点に注意が必要です。

それぞれの希望条件と、業務委託で働く場合のフィット度を整理していきます。

土日休みがいい

業務委託は自分で稼働日を選べるため土日休みとは相性がよい一方、土日を全休にすると稼げる金額が大きく落ちる構造のため、稼ぎたい金額とのバランスが重要になります。

ブライダル業界の現場は土日祝メインで、結婚式の挙式・披露宴の約9割は土日祝に集中しています。新規接客や担当打合せも休日に集まりやすいため、社員のままで土日休みを取るのは構造的にかなり難しい働き方です。

業務委託の場合、案件ごとに稼働日を選べるため、月に何日・どの曜日に稼働するかは自分で設計できます。例えば「土日のうち1日は休む」「平日中心で施行担当だけを受ける」「月末の繁忙期だけ稼働を増やす」など、ライフステージや体調に合わせた組み方ができます。

ただし、土日を完全に外すと結婚式関連の業務量がそのまま減ってしまうため、稼げる金額の上限はあきらかに下がります。「土日休みを優先するか」「稼ぐ額を優先するか」のバランス設計が、業務委託の働き方そのものを決めることになります。

業務委託としての勤務時間や3つの働き方モデルについて整理した記事として、業務委託で稼働するウェディングプランナーの勤務時間と3つの働き方モデルもあわせて参考にしてください。

給料アップしたい

業務委託では稼働量・成約率・案件単価次第で年収を伸ばせる余地が大きく、希望条件3つの中でもっとも実現しやすい条件です。

ブライダル業界の社員プランナーの年収は、職種別の業界相場として新卒330万円・リーダーやチーフ層が380万円前後・マネージャー層で430万円前後が中心レンジとされています。管理職に昇格すれば年収100万円ほど上がるケースが一般的ですが、残業代が頭打ちになる分、手取りベースのインパクトは額面の変化より実際は控えめです。

業務委託の場合、報酬は時間単価ではなく案件単価・成約報酬・出勤日数ベースで決まります。新規接客でしっかり成約率を出せる人や、担当組数を月に多めに持てる人は、社員時代の年収を超える水準まで伸ばすことも可能です。逆に稼働を絞れば、副業層の月5〜15万円レンジに収まることもあり、稼働量と単価設計に応じて幅広く調整できます。

「業務委託の報酬がなぜ正社員より高めに設定されやすいのか」という構造的な背景については、ウェディングプランナーの業務委託契約の報酬は正社員と比べてなぜ高額なのかで詳しく整理しています。

スキルアップしたい

業務委託の構造上、企業側はプランナーが「今持っているスキル」を即戦力として委託しているため、新しい職種スキルの習得には基本的に向きません。

ここは退職・転職を考える時期に誤解されやすいポイントです。退職理由として「現職ではスキルアップが見込めない」「Web・IT・デザインなど別領域のスキルを身につけたい」と挙げる方は多くいますが、業務委託契約という働き方では、こうしたスキルチェンジは原則として実現しにくいのが実情です。

理由は単純で、業務委託は「受託者がいま提供できるスキル」を企業側が買う契約形態だからです。Web 制作や IT、デザインなど未経験の職種スキルを学びながら同時に対価をもらう、という関係は業務委託では成立しにくく、未経験から学びたいのであれば、社員として該当部署に異動するか、別業界の社員として転職するルートのほうが現実的です。

ただし、ウェディングプランナーとしての「経験の幅」を広げる方向のスキルアップであれば、業務委託のほうが向いている場面もあります。例えば、これまでゲストハウスでしか経験がなかった方が、業務委託でホテルやレストランウェディングなどの別タイプの会場で実務を経験すると、対応できる会場タイプと提案の引き出しが広がります。経験会場の多様化や、新規接客と担当のバランスを変えて経験するなど、自分のプランナーとしての経験値を立体化していく意味でのスキルアップは、業務委託の働き方とよく噛み合います。

退職・転職時の希望条件3つと業務委託でのフィット度比較マトリクス

新卒のウェディングプランナーが3年~5年で退職・転職する理由まとめ

退職を即決する前に、業務委託契約という働き方が自分の希望条件を満たすか検討する余地があります。ただし業務委託は「今あるスキルを売る働き方」であって、スキルチェンジには向かない点を踏まえた上で判断するのが大切です。

新卒のウェディングプランナーが3〜5年で退職・転職を考える理由は、業務負担増・管理職への魅力薄・フリーランス事例の可視化・他部署異動希望・ライフステージ変化・転職エージェント経由の他業界提案の6つに集約されます。これらは個人の頑張りで解決できるものばかりではなく、業界の構造に根ざした要因が複数同時に重なるケースが多いです。

退職後の選択肢の一つとして、業務委託契約での働き方を視野に入れる方も増えています。実際、Wedding Me Works に登録するプランナーは現在約300名おり、平均経験年数は7.3年、年齢層は30代が61%を占めます。退職直後ではなく、数年のキャリアの踊り場や別職を経て、業務委託として業界に戻ってくる層が中心です。

業務委託は土日休みや年収アップとの相性は良い一方、未経験スキルの習得には向きません。「現職で疲弊しているから少し休みたい」「家庭の都合で稼働量を調整したい」「年収を頑張った分だけ伸ばしたい」というニーズには合いやすい働き方なので、選択肢として知っておくと、転職時の判断材料が広がります。

業界の中でこのまま続けるか、業界外に出るか、業務委託として残るか — 判断の土台になるセカンドキャリアの考え方は、新卒からブライダル業界を経験した人材のセカンドキャリアの考え方に整理しています。退職・転職を考えるタイミングであわせて読むと、3〜5年目以降のキャリア設計の見通しが立てやすくなるはずです。

 

今回の記事ではあまりご紹介しませんでしたが、ウェディングプランナー経験者の業務委託案件での働き方に興味がある方、自分だったらどんな働き方ができるのかとお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せください。

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