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2026/08/13

データで見るブライダル業界の市場規模と結婚式市場【2026年版】

グラフが印刷された調査資料と、奥にぼけて見える披露宴会場の装花。結婚式市場をデータで見るイメージ写真

こんにちは、アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

ブライダル業界の市場規模や結婚式の実施率は、出典によって数字にバラつきがあり、正確に把握するのはなかなか難しいもの。今回は2026年時点で公表されている最新の統計をもとに、市場規模・婚姻数・結婚式の実施率・ナシ婚の割合まで、結婚式市場の現在地をデータで整理します。統計の公表に合わせて年次で更新していく前提の記事なので、業界データのブックマーク代わりに使ってもらえたら嬉しいです。

ブライダル業界の市場規模はいまどのくらいか

矢野経済研究所が2026年に発表した調査では、2025年のブライダル関連市場(主要5分野計)は事業者売上高ベースで1兆5,786億円の見込み、前年比99.9%とほぼ横ばいです。5分野の内訳は、挙式披露宴・披露パーティ、新婚旅行、ブライダルジュエリー、結納式・結納品、結婚相談所・結婚情報サービス。中核である挙式披露宴・披露パーティ市場は、施行件数の減少や列席者人数の伸び悩みで前年比微減と推計されています。

ただし、「ブライダル市場は◯兆円」という数字は、集計範囲によって大きく変わるので注意が必要です。矢野経済研究所の過去の公表値には6分野計で約1兆8,448億円(2024年)という数字もあり、調査の分野構成は見直されることがあるため、公表年をまたいだ単純比較には向きません。市場規模の数字を引用するときは、「いつの・どの調査の・何を含む数字か」をセットで確認するのが基本です。

式場ビジネスに絞ると数字はもっと小さくなります。帝国データバンクの調査では、2024年度の「結婚式場」市場(事業者売上高ベース)は4,800億円前後と推計されており、前年度から約8%増えたものの、コロナ禍前の水準には戻っていません。また東京商工リサーチの調査では、2025年の主要結婚式場48社の売上高合計は約3,040億円(前年比1.8%増)、最終利益の合計は約258億円(同80.8%増)と増収増益でした。ただし増収企業は48社中26社と前年の35社から減っており、業績が伸びる会社と落ちる会社の二極化が進んでいます。同年の結婚式場業の倒産は5件、休廃業・解散は13件で、合計18件。7年連続で新設法人数を上回っており、事業者の数自体は減り続けています。

つまり「関連市場全体で約1.6兆円、式場業だけなら5千億円弱、上場・大手クラスの集計なら約3千億円」という入れ子構造で覚えておくと、ニュースで見かける数字に振り回されなくなります。個社の決算数値の読み方はブライダル業界の利益率と式場決算の解説記事で、再編・M&A・倒産の個社動向はブライダル業界の再編・M&A・倒産の動向一覧で書いています。

ブライダル関連市場・結婚式場業・主要48社の市場規模を集計範囲の入れ子構造で整理した図解

婚姻数の推移

厚生労働省の人口動態統計(概数)によると、2025年の婚姻件数は48万9,119組。前年より4,027組増え、婚姻率(人口千対)は4.1と前年の4.0からわずかに上昇しました。平均初婚年齢は夫31.0歳・妻29.7歳です。

前年対比では増えているものの、婚姻数のピークである1972年の約110万組から考えると、約半世紀かけて半分以下まで減った計算となり、水準としては戦後最少圏での微増にすぎません。

背景にあるのは、結婚適齢期人口の減少・未婚化・晩婚化という人口構造の変化で、これは業界の努力で変えられる類のものではありません。コロナ期の落ち込みと反動増のような単年のブレはありますが、この数字は1年ごとの増減ではなく、10年単位の傾斜で読むものだと考えています。

婚姻数の長期推移。1972年の約110万組をピークに2025年は48万9,119組まで減少

結婚式の実施率と年間件数の目安

リクルートブライダル総研の「結婚マーケット調査2025」(2026年1月公表)によると、結婚を機としたウエディングイベントの実施率は全体で73.5%とされています。ここでいうウエディングイベントには、挙式や披露宴・ウエディングパーティーだけでなく、会食スタイルの食事会、スタジオ撮影やロケーション撮影などのフォトも含まれます。イベント別の実施率は、挙式48.9%、披露宴・ウエディングパーティー43.1%、結婚を機とした食事会33.8%、写真撮影61.5%です。

※【補足】2025年版から、従来の「ゼクシィ結婚トレンド調査」と「結婚総合意識調査」が「結婚マーケット調査」に統合され、調査対象もゼクシィ会員から全国20〜49歳の結婚した男女へと拡大されました。つまりゼクシィ利用者に限らない、結婚市場全体を反映した数字になった代わりに、過去の実施率や費用のデータとは母集団が違うため直接比較ができません。本記事は年次更新を前提にしているので、2026年版のこの記事からは新調査を正として扱います。

先ほどの数字から年間件数の目安も掛け算で算出すると、2025年の婚姻数約48.9万組に披露宴・ウエディングパーティーの実施率43.1%を掛けて約21万組、挙式の実施率48.9%で掛けて約24万組。調査の母集団(20〜49歳)と婚姻全体は完全には一致しないので粗い推計ですが、「日本で結婚式は年間およそ20万組台」という規模感を持っておくと、媒体やニュースの数字を読むときの物差しになります。

ナシ婚の割合はどのくらいか

「ナシ婚の割合」は検索でもよく調べられているテーマですが、「定義次第で大きく変わる」と言えます。そのため、業界内外問わずナシ婚について話す際は、まず定義を揃えるところから始めることをおすすめします。
結婚マーケット調査2025のウエディングイベント組み合わせ別のデータを整理すると、結婚したカップルは次の4層に分かれます。

  • 挙式・披露宴の両方を実施:
    約40%。従来の「結婚式を挙げた人」のイメージに最も近い層
  • 挙式・披露宴のどちらか一方のみ実施:
    約12%。挙式のみ+フォト、といった組み合わせが中心
  • 挙式・披露宴はしないが、フォトや食事会は実施:
    約22%。このうちフォトのみの実施が16.3%を占める
  • いずれも実施しない:
    26.5%。何のセレモニーも行わない、本来の意味での「ナシ婚」

「披露宴をしない人」まで広げて数えると6割近くになりますが、それをすべてナシ婚と呼ぶのは実態とやや乖離している印象を受けます。挙式・披露宴以外の何かしらのセレモニーを行っている層が3割前後おり、この人たちは結婚式を「やらない」のではなく「別のスタイルを選んでいる」ので、本当に何もしないのは4組に1組程度なのです。

さらに、この中でも特に注目したいのがフォトのみの16.3%という数字です。単独の組み合わせとしては「挙式・披露宴・食事会・フォトすべて実施」の19.1%に次ぐ大きさで、フォトウェディングはもはやナシ婚の代替品ではなく、独立したセレモニーのカテゴリとして定着したと読むべき水準だと思います。

結婚したカップルの実施スタイル4層構成。挙式披露宴の両方実施が約40%、何も実施しないナシ婚は26.5%

少人数化とスタイル多様化のデータ

実施する層の中身も変わってきています。結婚マーケット調査2025では、挙式と披露宴・ウエディングパーティーをともに実施した人の招待客人数は平均57.2人、費用総額は平均298.6万円で、最多の価格帯は300〜350万円でした。ゼクシィ会員を対象にしていた旧調査では、招待客人数が60人台から52人前後まで長期的に縮小してきた経緯があり、最終版(2024年)は招待客平均52.0人・総額平均343.9万円でした。

スタイル面では、「挙式、披露宴・ウエディングパーティーの内容は、定番やしきたりにとらわれず、自分たちの価値観に合った自由なやり方をすればよいと思う」への賛同が74.5%にのぼり、家族とのファミリーミートや新郎が主役になる演出など、従来の定番から外れた選択が広がっています。

個人的な感覚としても、顧客のニーズは演出や空間にオリジナリティを求めるケースと、コンパクトにタイムパフォーマンスを重視するケースの二方向に分かれてきていると感じます。そして両者に共通するのが予算へのシビアさです。値引き交渉というより、招待人数の設計やアイテムの取捨選択を顧客側が自ら工夫して総額をコントロールするケースが増えている印象で、「多様化」の正体は好みの分散だけでなく、予算制約の中での最適化の分散でもあると考えています。

関連市場の規模感

冒頭でも書いた通り、矢野経済研究所の集計するブライダル関連市場は挙式披露宴・披露パーティ、新婚旅行、ブライダルジュエリー、結納式・結納品、結婚相談所・結婚情報サービスの5分野で構成されていて、分野ごとの動きは一様ではありません。中核の挙式披露宴・披露パーティ市場が施行件数の減少で微減となる一方、ブライダルジュエリーは素材価格や人件費の高騰に伴う商品価格の値上げが市場拡大につながっていると分析されています。

ちなみに、市場規模は金額ベースの統計なので、数量(施行件数や販売本数)が減っていても、単価が上がれば市場規模は横ばいや微増になり得ます。「市場規模が保たれている=業界が安泰」ではなく、数量×単価に分解して、どちらがどう動いた結果なのかを見る癖をつけたいところです。

衣裳・装花・ギフト・ペーパーアイテム・写真映像といったアイテム単位の市場も同じ構造で、基本的には施行組数×採用率×単価に連動するため、施行件数の減少がそのまま効いてきますが、すべてが一律に縮むわけではなく、前のセクションで見たフォトのように、施行を伴わない需要を取り込めるカテゴリは別の動きをすることもあります。

市場データをどう読むか

最後に、ここまでのデータの読み方を私なりに整理します。「ブライダル市場は縮小している」という要約は、正しいのですが足りない部分もあります。

  • 需要(婚姻数)は構造的に減る:
    人口動態が理由なので反転は見込みにくい。直近2年の微増も戦後最少圏の中での反動的な戻りにすぎない
  • 実施率とスタイルは分散している:
    挙式・披露宴という従来型は緩やかに減る一方、フォトや会食スタイルなど別カテゴリのセレモニーが広がり、「やる/やらない」の二択ではなくなった
  • 金額は単価が組数減を部分的に相殺している:
    市場規模の見た目は横ばいでも、中身の数量と単価の構成は毎年変わっている

つまり起きているのは「全体的に業界が沈んでいる」ことではなく、全体の緩やかな縮小とカテゴリの細分化が同時に進んでいる、ということです。フォトウェディングのように伸びているカテゴリもありますし、少人数・会食スタイルの受け皿も広がっています。人材の側でも、施行やイベントを外部のプランナー経験者に業務委託する動きが広がるなど、マイクロカテゴリで見れば需要が伸びている領域は確かにあります。全体平均の数字だけを見ていると、この細分化の中の伸びている領域を見落としてしまいます。

なお、本記事は需要側(結婚する人・式を挙げる人)のデータを扱いました。供給側である式場数の推移と業界構造の変化は結婚式場数の推移と業界の未来の解説記事で、業界全体の今後の見通しはブライダル業界の今後と将来性の解説記事で、人材市場の状況はブライダル業界の人材状況の解説記事で詳しく書いています。あわせて読むと、需要と供給の両面から業界の現在地がつかめるはずです。

本記事は婚姻数や各調査の公表タイミングに合わせて年次で更新していく予定です。マクロの傾斜は変えられなくても、データを正確に読めれば、自分がどのカテゴリのどの位置で戦うかは選べます。年に一度、数字の定点観測にお使いください。

今回の記事ではほとんどご紹介しませんでしたが、ウェディングプランナー経験者の業務委託案件での働き方に興味がある方、自分だったらどんな働き方ができるのかとお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せください。

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