Magazine

2024/04/18

#04 【Wedding Me Works】サービスの軌跡_企業の課題・ニーズ編

【STORY】Wedding Me Works プロジェクト軌跡 #04_企業の課題ニーズ編

こんにちは、アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

当社で運営している結婚式場とウェディングプランナー経験者の業務委託マッチングサービス「Wedding Me Works」のサービス立ち上げからの軌跡を残すストーリー。今回はサービス立ち上げ前に感じていたブライダル企業の課題とニーズの話をお送りします。

前回の記事はこちら。

#03 【Wedding Me Works】サービスの軌跡_プランナーニーズ編

 

ブライダル企業の人材課題が変わったタイミング

ブライダル企業、特に結婚式場運営企業のコロナ以前の人材課題は主に採用と育成でした。どうやったら優秀な人材を採用できるのか、どうやったら高い成約率を出せるのか、どうやったら将来の幹部候補に育成できるのか、など。

ブライダル産業フェアやメディアが主催する業界セミナーのテーマとして「高成約率実現!」や「結果を出すための組織マネジメント!」などがほとんどだったことからもわかりますね。

しかし、緊急事態宣伝が発令され結婚式が開催できない(売上が立たない、キャッシュが入らない)という状況においては、人件費は重たい固定費となり経営を圧迫することになってしまいました。

お金は入らない、でも人件費は払わないといけない。会社の預金残高は減っていく一方。。

多くのブライダル経営者がこのような事態に陥り頭を悩ませていたことでしょう(弊社も例に漏れず大変な時期でした)。そしてこの期間を経て、ブライダル各社の人員計画の考え方は大きく変わったように思います。

以前のように繁忙期の機会損失防止を前提とした多めの人数の計画ではなく、必要最低限の人員を抱えて非常時のために固定費を抑えておく、もし需要が回復・上振れした場合は外部リソースを有効活用するといった具合いに。

この2020年~2022年までの期間は多くの企業にとって考え方の転換期となりました。

 

結婚式場運営企業の採用難易度は上がり、リソース確保手段は多様化した

2022年に入ってからは結婚式需要が少しずつ回復、コロナ期間中に延期していた施行の開催もピークを迎え、ブライダル業界にも活気が戻ってきました。

しかし、これまでの約2年間で多くの従事者が他業界へ離職し、かつ業界への復帰を考えていないことは前回の記事で書いた通りです。

  • 結婚式需要は戻っているのに、人は戻らない。
  • 求人広告を出しても応募が来ない。
  • 応募が来ても未経験者ばかりで経験者を採用できない。
  • 未経験者を採用しても育成する余裕がない。

業界全体の人材不足が一気に顕在化し始めたのがこの時期です。

マクロな視点で見れば人材不足はブライダル業界に限った話ではなく日本全体の課題ではあるのですが、労働集約型のビジネスモデルである結婚式場運営においては、特にこの問題は大きく影響してくることになります。

弊社への問合せや市川個人への相談も2022年に入ってから増えてきて、

  • 誰かいい人はいないか?
  • 1月だけでも新規できる人、この秋だけでもいいから担当持てる人はいないか?

こんな感じの連絡を毎月受けるようになります。

ただ正直、業界経験者の中途採用は難しいと思っていました。

なぜなら他業界へ転職した人が再度ブライダルに戻ってくる場合、

  • 年収は100万円ダウン
  • 土日休みから土日フル出勤へ
  • リモートワークは不可

このような労働環境変化に見られるので、この変化を受け入れる人が多いとは考えられなかったからです。

ただ、自分の人脈やこれまでの経験を活かして何か企業の力になれることはないか?その先にいる結婚式を挙げたいと願っている顧客に対してできることはないか?はずっと考えていて、この時の思考をもとに、Wedding Me Worksの立ち上げを進めていくことになります。

 

対結婚式場運営企業では何がサービスの付加価値になるのか?

けっこうたくさんの相談をいただいていたのですが、当時の企業担当者の悩みをまとめると以下の通りです。

  • 新規接客や担当を持てる人を紹介してほしい
  • できれば経験者を正社員で採用したいが、単発案件稼働を希望するならでも構わない
  • ただし、その場合未経験の人に教える手間はかけられないのでNG
  • すぐに入ってくれる人がいい
  • 報酬単価はそこまでこだわりはないが、社員とあまりにも差がある場合は考慮したい

すでに来館予約を断っていたり、11月の受注をストップしたりしているからとにかく今すぐほしい、こんな感じのオーダーが多かったのです。

人材不足に起因する企業課題を解決するためのプランナーリソースの供給
これが企業に対して最も重要な付加価値であることは企画段階初期に決まりましたし、さらに、

  • 即戦力であること
  • 稼働の柔軟性が高いこと
  • 報酬等の条件設定を企業側で考えられること

これらも加わるとより多くの企業のニーズに合致していることもわかりました。

この企業側のニーズと、プランナー側のニーズの両方を解決するためのサービスを立ち上げる。こうしてWedding Me Worksの具体的なビジネスモデルやサービス仕様を企画設計していくことになります。

 

まとめ

ということで、第4話をお送りしました。

採用におけるブライダル業界人気はサービス業の中では比較的高い方だと思うんですよね、キラキラしているように見えるしやりがいもありそう。その証拠に新卒採用の人気は今でも高いです。ただ、誰でもいいわけではないですし、必要な人員を必要な時に必要な分だけ調達したいと考える企業は増えた気はします。

また日本全体でもフリーランス人材の増加や副業促進の流れは進んでおり、今後はブライダル業界でも人材リソース調達の柔軟性は高まるだろう、企画時点からこのようなことは考えていましたね。

この記事を書いたライター

新着記事