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2022/10/20

フリープランナーとして業務委託の収入がある場合、確定申告はどうする? 確定申告をすべき場合や確定申告の方法を簡単に紹介します

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コロナ禍以降、業務委託と呼ばれる働き方が増えています。副業としても本業としても業務委託による収入がある方が増加しているのですが、業務委託による収入がある場合、必ず自分で確定申告をしなければならないのか、また確定申告をする場合どのようにしたらいいか、初めて開始したばかりの方は気になる方も多いでしょう。

業務委託が本業の方、会社員等の本業がありつつ副業で業務委託の収入がある方で、場合分けをしながら、確定申告をすべき場合や確定申告の方法について簡単に紹介します。

 

業務委託で得た収入と確定申告の関係

近年、働き方は多様化し、業務委託による収入で生計を立てている方、サラリーマンであっても副業として業務委託による収入のある方が増えています。

過去にフリーランスを経験していないと、自分で確定申告をした経験がない方も多く、確定申告と聞いてもよくイメージがわかない方もいるでしょう。

確定申告は、ざっくりいうと、儲けに対してかかる税金を自分で計算して清算していく手続きです。業務委託による収入がある方は、多くの場合、自分で確定申告をする必要があります。

また、原稿料などの業務委託によって源泉所得税を既に納めている方は、確定申告をした方がお得な場合もあります。

 

税務署への確定申告が必要となる方

業務委託による所得があって、税務署への確定申告が必要となる方は、わかりやすく大まかにいうと、以下の2パターンにあたる方です。

①業務委託などで生計を立てている方で、所得が48万円以上ある方

所得とは儲けのことで、簡単にいうと「収入-経費」で計算されます。

業務委託などによる雑所得もしくは事業所得が、基礎控除額である48万円を超える場合に所得税を課されますので、自分で確定申告をする必要がでてきます。

②本業が給与所得であって、副業の所得が20万円以上ある方

会社員等による給与所得があって、通常は企業側が年末調整までやってくれるため確定申告を要しない場合でも、副業の所得が20万円以上ある場合は、副業などの所得についてプラスして、自分で確定申告をする必要があります。

 

業務委託による収入を確定申告しない場合のペナルティ

確定申告を期限内に行わないと、無申告状態になってしまいます。
無申告および所得隠しには、以下のペナルティが課されますので、必ず期限内に申告するようにしましょう。

期限後申告には延滞税がかかる

申告期限を過ぎたあとに、自主的に確定申告を行った場合でも、期限後申告となります。税金の納付期限は申告書を提出した日であり、本来の申告・納税期限から納付日までの日数分の延滞税(7.3%〜14.6%)が課せられてしまいます。

無申告加算税(いわゆる罰金)について

税務署に後日バレて指摘されてしまったといった一定の場合には、本来納めるべき税金を支払ったうえに、罰金としてその支払った税金の15〜20%の額を支払う、無申告加算税を課される恐れがあります。

 

業務委託が本業の方の確定申告の方法

確定申告は、その年の1月1日から12月31日までの収入総額を出して所得税を計算し、原則として翌年の3月15日までに税務署に申告書を提出して、納付すべき所得税額の確定や清算をする手続きです。

業務委託が本業で、必要のある方は自分で確定申告をします。
なお、アルバイトとの掛け持ちもあり、アルバイト先で年末調整をしていない場合も、同様の確定申告が必要です。

以下、経理作業がシンプルな白色申告と呼ばれる確定申告を紹介し、最後に青色申告についても簡単に触れます。

自分で準備しておく書類について

確定申告時に添付する義務はないですが、報酬などの売上を証明する書類や支払調書は、確定申告後も保管しなければならない重要な書類ですので、ファイリングして大切に保管しましょう。経費を証明する領収書なども、保管していく必要があります。

白色申告であっても、収入金額や必要経費を記載して帳簿を作成し、7年間保管しなければならないとされています。アルバイトの給与収入もある方は、源泉徴収票を勤務先から入手しましょう。

国民年金保険料の支払い証明書、生命保険料の支払い証明書が、控除額を証明するのに必要です。国民健康保険料の支払い額がわかる書類も、あると便利です。

「確定申告書様式B」、「収支内訳書」などを入手

業務委託による収入は、事業所得か雑所得か分類が分かりづらいですし、フリーランスの方は様々な所得がある場合も多いので、基本的に全ての所得に対応している確定申告書様式Bを使用しましょう。

確定申告書Bと収支内訳書は、税務署での配布によりもしくは国税庁のWebサイトからダウンロードして簡単に入手できます。

「令和〇年分所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き(確定申告書B用)」および「令和〇年分収支内訳書(一般用)の書き方」も、合わせて入手しておきましょう。

※参考:国税庁Webサイト(確定申告に関する手引き等)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/index.htm

収支内訳書や確定申告書Bを作成

収支内訳書の書き方と、確定申告の手引きを読みながら、名前や住所などを記載し、表に数字を入れていく作業です。

はじめて作成する際は区分や記入する場所に迷う場合もあり、自信をもって完成させるのは難しいでしょう。

まずいったん作成してみた書類を、税務署の確定申告相談窓口で見てもらいながら確認するのがおすすめです。

青色申告について

業務委託による仕事を本業として生計を立てている方は、確定申告の方法として青色申告を選択可能です。

青色申告をするには、個人事業の「開業届」と「青色申告承認申請書」を、あらかじめ税務署に提出しておく必要があります。個人事業主となり、収支内訳書ではなく「所得税青色申告決算書」を作成しなければなりません。

手間はかかりますが、青色申告特別控除として最大65万円控除できる恩恵があるので、業務委託による仕事を本業として長く続けていくつもりのある方には、おすすめの申告方法です。

管轄税務署への提出と納税

申告書や提出する書類が整いましたら、管轄税務署に書類を提出します。

住民票のある住所地が納税地とみなされて管轄税務署が決まりますので、国税である所得税の管轄税務署を国税庁Webサイトで確認してから提出しましょう。

合わせて、必要のある方は所得税を納めます。税務署の窓口や金融機関で納付書を使い現金で納める方法、振替納税手続きをして銀行口座から引き落とす方法などがあります。

 

本業給与所得がある方の確定申告の方法や注意する点

わかりやすくいうと、サラリーマンやOLの方に業務委託による雑所得がある場合の確定申告の方法です。

アルバイト先で年末調整までしてもらった場合で、他に業務委託による雑所得がある際も、同様の確定申告の方法となります。

自分で準備しておく書類

給与所得の源泉徴収票を勤務先から入手します。

業務委託の副業で原稿料のように源泉徴収がされている場合は、可能ならば支払調書も入手し保管しておきましょう。

副業による雑所得は、「総収入金額ー経費」で計算されますから、収入を証明するための報酬金額内訳記載の請求書や入金を確認できる書類、経費を証明するための領収書などをファイリングしておくのをおすすめします。

「確定申告書様式A」などを入手

確定申告書様式Aは、給与所得・雑所得・配当所得・一時所得しかない方のための、確定申告書Bの簡易版といえる申告書で、サラリーマンが確定申告する際に向いています。

税務署での配布によりもしくは国税庁のWebサイトからダウンロードして簡単に入手できます。

「令和〇年分所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き(確定申告書A用)」を、合わせて入手しておきましょう。

参考:国税庁Webサイト(確定申告に関する手引き等)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/index.htm

確定申告書Aを作成

確定申告書の手引きを確認しながら、確定申告書Aを完成させましょう。

年末調整済ならば、源泉徴収票の数字を転記し、雑所得である副業の収入金額を記入したうえで簡単な計算をするだけなので、あまり悩むことはないでしょう。

記入内容に自信がもてない場合は、税務署の確定申告相談窓口で作成した書類を確認してもらうのがおすすめです。

注意する点

確定申告書は、自分の住所地を管轄する税務署に提出しなければならず、勤め先近くの税務署で済ますことはできません。

また、業務委託による収入が雑所得ではなく、アルバイトのようなサブの給与扱いならば、少し確定申告書Aの書き方は変わります。業務委託による収入が雑所得扱いか給与扱いか分からなければ、支払ってくれる会社に確認しましょう。なお、2か所以上から給与をもらっている場合は、原則として確定申告が必要です。

副業をなるべく知られたくない場合

完全に副業を勤務先に知られないのは現実には難しいですが、副業収入についてなるべく勤務先にバレたくない場合は、確定申告書A第二表の「住民税に関する事項」の「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」の欄について、「自分で納付」の項目にチェックを入れて、給与からの天引きではなく自分で住民税を支払う形式での提出もあります。

管轄税務署への提出と納税

申告書や提出する書類が整いましたら、住所地の管轄税務署に書類を提出します。

必要のある方は、納付書を使い現金で納める方法、振替納税手続きで口座から引き落とす方法などで納税します。

 

フリープランナーの確定申告についてまとめ

ウェディングプランナーに限らず確定申告についてまとめました。

あまりなじみのない内容だとは思いますし、複数社と業務委託契約しているプランナーさんだと申告も大変ですが、うっかり忘れてました、となってしまってもペナルティもありますので、しっかり理解しましょう。

この記事を書いたライター

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