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2022/10/31

ウェディングプランナーの業務委託の働き方とは?アルバイトの「雇用」との違いと特徴をおさえよう

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近年働き方は多様化し、業務委託による求人が増え、業務委託の働き方は一般化してきています。業務委託による働き方は、アルバイトと何が違うのでしょうか。

大まかに両者を比較しながら業務委託契約のメリットとデメリットを理解し、働く側からみる業務委託の特徴をおさえ、より安心して業務委託契約を結べるようにしましょう。

 

業務委託契約とアルバイト、それぞれの定義・立場・働き方の比較

近年、短時間の仕事による収入が可能な点で一致する業務委託とアルバイトは、本業以外での収入源となる副業として、比較される機会が多くなっています。

まずは、業務委託契約とアルバイトの定義と働き方について確認しておきましょう。

業務委託契約とは

業務委託契約とは、一定の事務などを受任して報酬をもらうか、仕事を完成させて成果物を渡して報酬をもらう契約一般をいいます。

「一つの仕事をやりとげるたびに報酬をもらう契約」といえばイメージしやすいでしょう。アルバイトのように、働いた時間に応じて報酬をもらうわけではありません。

法律上は、①法律効果の発生に意思表示を必要としない行為である事実行為を受任して報酬をもらう「準委任契約」か、②完成した成果物を渡して報酬をもらう「請負契約」にあたり、使用者の指揮命令を受けての労働を約束する訳ではない点で、アルバイトなどの雇用契約と異なります。

【1】準委任契約
特定の業務の遂行を定めた契約。準委任契約の場合、業務の内容や成果物に対して完成の義務は負わない。結果または成果物に不備があっても、修正や保証を求められない。

【2】請負契約
業務受注者が、委託された業務を完成させることを約束し、業務発注者は完成された仕事の結果に対して報酬を支払う契約。業務の請負人(受注者)は、仕事の完成に対して結果責任を負う。もし完成された仕事にミスや欠陥が見つかった場合、請負人は仕事の修繕をしたり、場合によっては損害賠償を払う必要も生じる。

働き方や働く環境については、仕事を受託する側の自由であるのが原則ですが、仕事内容によってはクライアントから一定の事業所での作業を要求される場合もあるでしょう。

アルバイトと雇用契約とは

アルバイトは、一週間の所定労働時間が正規雇用労働者の所定労働時間よりも短い従業員のことで、パートタイム労働法では短時間労働者と定義されています。

雇用契約により雇用主に雇われる点では正社員と変わらず、アルバイト・正社員・契約社員・臨時社員は、全て労働基準法の「労働者」にあたります。

雇用契約とは、「労働者」が特定の「使用者」のために労働すると約束し、「使用者」が「労働者」に報酬を与えると約束する契約です。アルバイトは通常、給与体系として時給が定められており、労働時間に応じて報酬をもらいます。

特定の事業所において決められたシフトに基づき、一定時間働くのが一般的でしょう。

 

働く側にとっての業務委託契約のメリット・デメリット

業務委託契約は、委託・発注者である企業が、仕事の一部を外部に注文する相手先として、対等な立場で受託する特徴があります。

使用者の指揮命令を受けて労働する「雇用」とは対等な立場である点で区分され、アルバイトと比較すると、いくつかのメリット・デメリットがあります。

業務委託のメリット

自分の能力・経験・趣味嗜好に合わせ、業務や案件を選びやすいのがメリットです。

案件ごとに契約を結び、企業の指揮命令を受けずに業務が可能なため、働く場所・時間・作業方法に関する自由度はアルバイトより高い働き方です。

なるべく生活をセルフコントロールしながら、自分のペースで働きたい人にとっては理想的な働き方といえるでしょう。一つ一つの仕事に関して報酬を受け取るため、仕事を素早くこなせる場合や単価が高い案件を受託する場合は、高額な報酬も実現可能です。

業務委託のデメリット

雇用契約における「労働者」として、労働基準法などの保護を受けられない点はデメリットです。

最低時給、休暇制度、福利厚生といった労働条件について、委託・発注者である企業側が考慮する義務は無く、自分で考えて管理しなければいけません。

また、案件を自分で交渉して獲得しなければならない場合も多く、収入を安定して得られる訳ではない点がデメリットといえます。

 

アルバイトとして雇用契約で働くメリット・デメリット

短時間労働者として雇われるアルバイトには、次のようなメリット・デメリットがあるとされています。

アルバイトのメリット

アルバイトは雇用契約なので、労働基準法の適用を受け、最低時給が保証されます。

また、「週20時間以上アルバイトとして働く」といった一定の基準を満たせば、社会保険の加入・有給休暇の取得・福利厚生の適用が認められます。

使用者の指揮命令に従いながら、決められた時間に働きさえすれば、一定の収入が保証されるのは、業務委託と比較した場合メリットといえるでしょう。

もうひとつ、転勤がある正社員や、派遣先を自由には決めれない派遣社員と違い、アルバイトは勤務場所を特定して働ける場合が多いのもメリットです。

アルバイトのデメリット

他の雇用形態より、時給は安くボーナスもないといった、報酬面でのデメリットがあります。時給によっては、業務委託に報酬総額で劣る場合もあるでしょう。

通常はシフトが決められて時間的に束縛されますし、労働中は使用者の指揮監督のもとで働かなければなりません。自由な働き方を求める方にとっては業務委託と比較した場合のデメリットとなります。

 

企業側からみる「業務委託」と「アルバイト」。違いやメリット・デメリット

仕事を受ける側だけでなく、仕事を委託・発注する企業側や、人材を雇用する企業側からみた、業務委託とアルバイトの特徴やメリット・デメリットも確認しておきましょう。

企業側からみた業務委託のメリット・デメリット

業務に応じて必要な人材を選び、必要な時期に必要な量の仕事の委託・発注をしやすい点は大きなメリットといえます。

また、業務委託は労働法の保護対象外なので、各種保険料を企業側が負担する必要はなく、業務で使用する備品やツールも原則として業務委託先が用意するため、コストカットが実現可能です。

さらに、もともとスキルのある人材に委託・発注すれば、教育費用や時間の節約になります。

デメリットとしては、委託・発注する企業側には指揮命令権がないため、業務委託先の情報セキュリティ、コンプライアンス、サービス品質の管理が難しい点や、社内のノウハウ向上や人材育成に繋がりづらい点があげられます。

企業側からみたアルバイトのメリット・デメリット

アルバイトは他の雇用形態よりも給与が安く済む場合が多いため、人件費をカットできます。また、繁忙期に合わせての雇用や、一日の中で業務量の多い時間帯に合わせた雇用がしやすいメリットがあります。

いっぽうデメリットとして、中長期的な人材育成が難しい点や、人手不足の根本的な解消にならない場合が多いといった点があげられます。

業務委託が雇用とみなされる場合に注意

企業が指揮命令を行っており、業務委託先に使用従属性があると認められると、業務委託として契約を結んでいても、アルバイトなどの「雇用契約」とみなされる場合もあります。

あくまで指揮命令を行わず個人事業主や自営業に外注するのが業務委託契約なのです。

使用従属性が認められてしまうと、業務委託契約の名前で契約していても雇用契約とみなされて、労働法の適用を受け、違法な働かせ方をしていると判断される恐れがあるため、企業側の注意が必要です。

 

業務委託とアルバイトの違いについてまとめ

今回まとめた違いをしっかりと理解し、自分に合った働き方は何かをしっかり考えましょう。

今後はブライダル業界でも、業務委託求人とアルバイト求人の両方が増えてくると思いますので、ぜひ自分に合った働き方を見つけていきましょう。

この記事を書いたライター

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