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2024/01/19

ウェディングに直接関係ない知識を身につけることのメリット・意味

こんにちは、アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

当社で運営している結婚式場とウェディングプランナー経験者の業務委託マッチングサービス「Wedding Me Works」で活躍するプランナーのお話から、ウェディングの仕事に直接は関係寧スキルや知識を身に着けることのメリットについてお送りします。

 

ブライダル業界の一般的な公開セミナーや研修会のテーマ

ブライダル業界で開催されているセミナーや公開研修、勉強会ってそのほとんどが接客に関することですよね。

例えば

  • いい結婚式をつくる方程式! スタッフを巻き込む現場作り
  • 集客・成約率をUPさせる! 自社SNS媒体構築メソッド
  • 成約率50%は当たり前!! 自分では気付かない弱点克服

など。これらは適当に検索して見つかったセミナー名から抜粋しました。

供給過多かつ競争環境が厳しく横のつながりが希薄なブライダル業界だとどうしても会社や式場内の狭い範囲での経験や知識がブライダルのすべてだと思い込みがちなので、こういった主要業務に関するセミナーを聞くことは意味があると思います。

ただ、全体のバランスで考えるとかなり実務寄りの内容に偏っているなーと感じます。ビジネスモデルや業界の市場規模、会計や業績管理の考え方、などのセミナーや勉強会は、ほとんどありません。

その理由は

  • セミナー開催してまで伝えたいと思う人がいない(講師側の理由)
  • そういった内容をぜひ聞きたいと思う人がいない(受講者側の理由)

この両方があると思っていて、直接業務に関係しないし知ったところで成果にも業績に影響しない、という理由から今後も行われることはきっとないのでしょう。

 

ブライダル業界の職種に求められるスキル・能力の変化

さて、これは異業界・職種の話ですが、近年の技術革新を背景にIT人材に求められることの変化してきたと言われています。

技術革新による変化とは、例えば以下のようなことを指します。

  • Adobeが使えない非デザイナーでもCanvaを使えばそれなりのデザインが簡単に作れるようになった
  • 非エンジニアでもShopifyやSTUDIOなどノーコードツールがあればそれっぽいサイトは作れるようになった
  • 非マーケターでもGoogleの自動最適化設定をすればそれなりの運用結果を出せるようになった

この変化によって、ただきれいなデザインを作れるだけのデザイナーやただ仕様書に沿ってコードを書けるだけのエンジニア、ただ予算通りにウェブ広告運用だけができるマーケターなどの存在価値は徐々に薄くなってきており、その専門職種として第一線で活躍するためにはその職種の専門知識に加えビジネスに対する理解も必要になってきています。

具体的には、以下のようなスキルセットを持った人材です。

  • サービス対象ユーザーのインサイトから紐解いて結果につながるデザインをつくれるデザイナー
  • ビジネスモデルと事業計画から必要な技術選定、組織設計ができるエンジニア
  • CPAにとどまらず事業プロセス全体を俯瞰してLTVの最大化から施策の選定、実行ができるマーケター

要は事業プロセスの前後や全体の理解をベースにして自身の職務領域で必要なことを企画実行することが求められるようになる。これまで十分条件だったスキルが必要条件になり、十分条件を満たすためにはビジネス全体の理解が必須条件になる、と言えるんじゃないかなと。

これまでビジネスに関する知識やスキルは戦略コンサル経験者のような一部の専門人材のものだったように思いますが、これからはビジネスパーソンの一般教養のようになっていきそうです。特に2023年にChatGPTが登場してからはその傾向は顕著です。

この流れ(必要な職能変化)はブライダル業界で働く人にも起こるでしょうか?

 

ブライダル業界人にもビジネス知識の必要性が増していきそう

ブライダルに限らずサービス業でも同様の職種要件定義の変化は起こっていくとは思いますが、IT人材のそれと比べるとスピードは遅そうです。

  • (現時点で)IT力が事業の差別化要素につながりにくい
  • ビジネスモデルレベルの構造変化が起きるスピードが遅い
  • 文化的側面があるので変化に対する抵抗が大きい

理由はこのようなものです。

ただ、定型化された業務が今後デジタルに代替されていくことを考えると、大局的な流れはブライダルでも起こっていきそうです。

先ほどのように書くならば、

  • 未経験でも○○というプランニングツールを使えばそれなりのウェディングプロデュースができるようになった
  • その結果、ただ決まった式場や商品を提案できるだけのウェディングプランナーの存在価値は薄れていった

こんな感じかなと。

こうなる前提とした場合に自身のプレゼンスを保つための方向性は2つあると思っています。

  • ①:より深い知識・スキルを持つ
  • ②:より広い知識・スキルを持つ

①は「この人にしかできないこと」を追求していくこと。特定の場所、デザインセンス、圧倒的なコミュニケーション力や提案力、など突き抜け方はいくつもあると思いますが、この人にお願いしたからこそこの結婚式ができた、と言える何かを持つことです。

②は今回書いてきたようなプランニング×○○の掛け算でバリューを出していくという考え方で、ビジネス、マーケ、デザイン、経営、など何でもいいんですけど、その両方(または複数)を高いレベルでできるからこそ事業にインパクトを与えるような結果を出せる、ということです。

で、①は正直よくわからない。自分がプランナーを経験していないのでそういうものはきっとあるんだろうなと思いつつ自分ごととしてとらえることができていない、という感じ。でもきっとあると思う。

②は確実にあると思う。現に新規で結果出してきた人がマーケを覚えてすぐに結果出したという事例もありますし、今後はマルチスキル人材の需要が業界内でも高まっていくと予想しています。

 

今の業務に直接は関係ないけど幅広い知識を身につけることは未来につながることを知る

マルチスキル人材になるためには「今の業務には活かせないし直接関係ないけど新しい知識を今の業務を続けながら身につける」ことが必要です。

  1. 意識を持つ
  2. 機会を作る
  3. 知識になる
  4. 仕事に活かす

身につけるためにはたぶんこんな順番で進めていくのが王道で、まずは今回書いたような意識を持つ人が増えることがスタートだと思います。

そしてそれを続けることも重要で、仮に今から始めたとしても3年前から勉強してきた人とはスタート地点ですでに大きく出遅れることになる。

いきなり新しいことを一人で始める、継続するのは大変ですが、意識を変えるだけなら誰でもできますし、意識が変わって自分の中で定着すると自然と行動も変わっていきます。

この記事がそんな意識の持ち方が変わるきっかけになると嬉しいですね。

 

ウェディングに直接関係ない知識を身につけることのメリット・意味についてまとめ

ビジネスが分かる一番のメリットは「会社(または他社)はなんでこんなことをするんだろう?」というのを自分の頭で考えられるようになることだと僕は思っています。

会社から言われたことをひたすら頑張るだけなら別にこんなこと知らなくてもいいんですが、自分のキャリアは自分でつくるものという考え方がこれから広まっていくと考えると、会社の意思決定の背景を自分で考えられる、それを理解した上で自分の居場所を自分で決められるようになることはかなりの強みになるでしょう。

なので、会計でも戦略でもマーケでもデザインでも何でもいいんですけど、業務には関係ないことだけどちょっと勉強してみようかな?って少しでも興味を持ってもらえるといいなって思います。

直接の紹介は今回の記事では書いていませんが、ウェディングプランナー経験者の業務委託案件での働き方に興味がある方、自分だったらどんな働き方ができるのかとお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せください。

この記事を書いたライター

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