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2023/11/30

プランナーとして業務委託契約で稼働するときに、正社員との違いで知っておきたいこと

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こんにちは、アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

当社で運営している結婚式場とウェディングプランナー経験者の業務委託マッチングサービス「Wedding Me Works」での事例から、ウェディングプランナー経験者が業務委託契約で稼働する際によく起こる認識違いとトラブル防止策についてお送りします。

 

雇用契約と業務委託契約の違い

まずは法律の違いの概要については以下の通りです。

法的枠組みと基準

雇用契約は、従業員と雇用者間の長期的な労働関係を規定しています。この契約は、労働法、労働基準法、社会保険法などの法的枠組みに基づいていて、これらの法律は、最低賃金、労働時間、休暇、解雇条件などを定めています。

業務委託契約は、特定のサービスやプロジェクトの完成を目的とし、委託者と受託者間で結ばれます。この契約は労働法の枠外にあり、契約法の原則に基づいていて、契約内容は、両者間の交渉によって柔軟に設定されます。

関係、権利と義務

雇用契約では、従業員は雇用者の指示のもとに働きます。雇用者は従業員に対して給与、福利厚生、安全な職場環境を提供する義務がある一方、従業員は、所定の労働時間内での勤務や職務の忠実な遂行を義務付けられています。

業務委託契約では、受託者は独立した専門家として、自らの方法で業務を遂行します。委託者は報酬を支払いますが、受託者の作業方法や時間に干渉する権利は限られています。契約内容に基づいて、成果物の提供や成果に基づく報酬の支払いが行われます。

利点と制限

雇用契約の利点には、雇用の安定性、定期的な収入、福利厚生の提供などがある一方で、労働時間や場所の柔軟性の制限、創造的自由度の制約などの制限も伴います。

業務委託契約の利点には、時間や場所の柔軟性、特定のプロジェクトへの専念、専門性の高い作業の実施が含まれますが、受託者は自己負担で社会保険や税金の手続きを行う必要があり、雇用の不安定性や継続的な収入の不確実性に直面する可能性があります。

雇用契約と業務委託契約の違いで、プランナーが実務上知っておいた方が良いこと

プランナーの方が結婚式場で稼働する場合によく聞かれる内容は以下の通りです。

交通費支給について

  • 雇用契約では、通常、従業員の交通費が雇用者によって支給されることが多いです。
  • 業務委託契約では、受託者は自己責任で交通費を負担し、これを報酬に含めることが一般的です。

残業について

  • 雇用契約では、残業が発生した場合、追加の残業代の支払いが法律により規定されています。
  • 業務委託契約では、通常、成果に基づいて報酬が決定されるため、残業代は存在しません。

研修時の給与、報酬について

  • 雇用契約では、研修期間中も通常、給与が支払われます。
  • 業務委託契約では、研修に関する報酬は契約の範囲とは別に協議されることが多いです。

休憩時間の取得について

  • 雇用契約では、労働基準法等に基づいて定められた休憩時間の取得が義務付けられています。
  • 業務委託契約では、休憩時間は受託者の裁量に委ねられることが一般的で、法的な取得義務はありません。

仕事をする期間について

  • 雇用契約では通常、より長期的な雇用の安定性が期待されます。
  • 業務委託契約はプロジェクトベースまたは短期的な契約が一般的で、継続的な雇用保証が少ないです。

知的財産権とデータの取り扱い

  • 雇用契約では、従業員によって作成された作品や知的財産は通常、雇用者に帰属します。
  • 業務委託契約では、知的財産の所有権に関する条件が契約で明確に定められる必要があります。

職務上の責任の所在

  • 雇用契約では、従業員の職務上のミスや事故に対して雇用者が責任を負うことが多い。
  • 業務委託契約では、受託者が自己の責任と保険を持つことが求められる。

 

認識の違いから起こるトラブルを未然に防ぐために

ここまで書いてきたような契約内容の認識違いによって、トラブルになることも少なくありません。こういった事態を防止するためには下記のような内容を意識することが大切になります。

契約内容の明確化と文書化

契約書に業務の範囲、報酬、作業時間、納期、成果物の基準などを明確に記載することが重要です。また、福利厚生や保険に関する項目が業務委託契約では含まれないことを明示すると、受託者に対する誤解を防ぐことができます。

双方の期待値の事前共有と確認

契約を締結する前に、委託者と受託者がそれぞれの期待値を共有し、相互の理解を深めることが重要です。特に、業務委託契約の特性を理解し、雇用契約との違いについて両者が同じ認識を持つことが必要です。

定期的なコミュニケーションとフィードバック

契約期間中、定期的に進捗の確認やフィードバックの交換を行うことで、誤解や期待のズレを早期に発見し解消することができます。また、業務の範囲が変更になった場合には、追加契約などで正式に修正を行うことが望ましいです。

 

業務委託契約で稼働する場合の注意点についてのまとめ

特に初めて副業でプランナーを始める、初めて独立して業務委託契約で稼働をする場合は、これまでの雇用契約では当たり前だったことが当たり前ではなくなるので戸惑う方も多いです。しかし、業務を遂行することの目的も、適用される法律も明確に異なりますので、事前にしっかりと契約書で明記し双方で確認した方が良いでしょう。

今回の記事でご紹介したような、ウェディングプランナー経験者の業務委託案件での働き方に興味がある方、自分だったらどんな働き方ができるのかとお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せください。

この記事を書いたライター

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