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2023/10/29

フリーランス人材増加のブライダル業界にとってのメリットと今後の予想

こんにちは、アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

当社で運営している結婚式場とウェディングプランナー経験者の業務委託マッチングサービス「Wedding Me Works」での事例から、フリーランス人材が増えていくことによるブライダル業界にとってのメリットと今後予想される状況についてをお送りします。

 

フリーランス人材の増加

ここ数年、フリーランス化の流れが加速しています。

ブライダル業界ではフリープランナーに限らず、ヘアメイクやフォトグラファーの方もフリーランスとして多くの方が活動されていますし、他の職種でもエンジニアやウェブデザイナーもたくさんいます。

グローバルな視点から見れば、日本のフリーランス人口はまだ決して多いわけではないのでこのトレンドはまだ今後も続くのではないかと予想していますが、今後も企業務め→独立の流れが加速していった場合、それってどういう影響があるのか、どう捉えたらいいのかについて考えてみます。

 

企業務めとフリーランスの違い

そもそも何が違うのか?についても整理しておきます。

175_企業で働くこととフリーランスの違い

簡単に違いを書くと上記の通りで、対象となる法律や税制等の違いはググればたくさん出てくるので今回は割愛します。

175_企業で働くこととフリーランスの違い_市川本音ver

私個人の経験(企業勤め約10年、起業して約5年、事業運営等を通じて出会ったフリーランスの方は数知れず)から、それぞれの違いを書いてみると上記の通りで、どちらが良い悪いという話ではないのですがけっこう大きく違うと思うんですよね。

いろいろと書いてますが一言でまとめると

  • 自由度は低いが安定→企業勤め
  • 自由度は高いが不安定→フリーランス

といった感じで、人によって何がメリットで何がデメリットになるのかは様々なので、自分に合った働き方を選択することが大事だと思っています。

例えば僕は決まった仕事を淡々と同じように毎日こなすことが苦痛で仕方がないので会社員は向いていないと思ってます。あと上司であっても他人から理不尽な指示を受けることに対しての耐性が低いので、これもあってやはり向いていません。

一方、自分であれこれ考えてアクションを起こすのが苦手な方はフリーランスに向いていません。会社から言われたことをやっていればちゃんと毎月給与が振り込まれるのって楽なんですよね。企業で働いているときは当たり前すぎてあんまり自覚ない方も多いですけども。

では次に、フリーランスになる人が増えるトレンドは、企業と働く個人にとってどんな影響が出るのかを考えてみます。

 

フリーランス人材が今後も増加するとどうなるのか①:企業視点

今後起こり得ることとしては以下の通りです。

  • 社員採用&定着の難易度が上がる
  • 社員だけで必要人員を確保することが困難になる
  • フリーランスの方とも一緒に仕事をする必要性が上がる
  • 組織設計や業務設計などを再構築、アジャストすることが必要になる
  • フリーランス人材を見極める能力が必要になる

フリーランス化の流れはおそらくしばらくは止まらないので、その前提でいかに早く正確に企業として準備できるかが勝負の分かれ目になりそうです。

その中でも個人的に実は最も重要になりそうだと思っているのは、フリーランスの方って人間性や業務能力の面においてかなり振れ幅が広いので(すごい人もヤバい人もいる)、その審美眼は必要になるだろうなってとこですね。

例えばSNSでフォロワーがたくさんいることと仕事ができることはあまり相関がないと思っていますし、経験期間や組数が多いから必ずしも優秀ということでもないです。

こういうのって見極めた(というか実際に会った、仕事をしたなどの)経験値がモノを言うと思うので、まずは門戸開放からでいいので取り組み始めるといいんじゃないかなと思います。

 

フリーランス人材が今後も増加するとどうなるのか②:個人視点

今はフリーランスとして働くことのメリットを大きく見ている人が多そうです。

以前に比べて実際に活躍されている方も増えてきましたし、SNS等を通じてそういった情報を目にする機会が増えたのも一因でしょう。

キラキラしている雰囲気を煽る情報商材屋も少なくないですしね。ブライダルではあんまりいないけど、エンジニアやデザイナーだと、在宅ワーク週2で月給50万!といった広告もよく見ます。

どの企業で働くか?しか選択肢がなかった時代から、フリーランスになる、という選択肢も追加されたと考えると、働き手にとってはメリットは大きいと思います。

一方、今後フリーランス人口が増えたときに、また新たな壁ができると思っていて、それはフリーランス間の競争って弱肉強食の世界だよってことです。仕事ができる人に一方的に依頼が集まるわけです。

例えば20組の施行があってプランナーが5人いる場合、一般的な企業であれば4組ずつアサイン振ることが多いでしょう。

これが20組の施行があって契約しているフリープランナーが5人いる&実力差があるという状況の場合、6,6,6,2,0とかにすると思います。企業としては信用している人に多く担当してもらいたいわけですから。

そうなると0の人は仕事がなくなり、収入が途絶えます。シビアですけどね。でもそういう世界になります。

なのでこれからフリーランスになる方は、独立することに勇気を出すんじゃなくて、独立した後に自己成長を続ける覚悟を持つことを決意されるといいんじゃないかなと思います。

 

フリーランス人材増加で何が起こるのかの今後の予想

このままフリーランスになる人は増えることで、それがきっかけで何か大きな問題になることはなさそう、というのが現時点での予想です。

もちろん、人側/企業側で考え方のリセットや持った方がよい覚悟、みたいな話はありますが、大局で見れば今の流れはしばらく続きそうです。

しかし、どこかでフリーランスになる人は上限に達すると思っています。理由は2つ。

理由①:優秀なフリーランスの方がチーム化・法人化する

先ほども書いたように優秀な人に仕事が集中することになりますので、1人ではその仕事量を抱えられなくなります。

そうなると、チーム化したり法人化してアシスタントを雇うなどを始めるので、結局フリーランスではなくなりますし、チームメンバーは社員(=企業勤め)になることが多いです。

もちろん、仕事を受けずにセーブする、単価を上げて仕事を減らす、チーム化してもフリーランスのまま、とかもありますが、ある程度の規模になったら法人化を考える人が多いなぁって気はします。

理由②:フリーランスを続けない(続けられない)人が企業勤めに戻る

あと2-3年くらいするとこの流れが始まりそうです。フリーランス化の逆流ですね。

フリーランスになったけど稼げない、子供が中学に入ってライフステージが変わった、ここで働きたいと思える会社と出会った、など戻る理由は様々でしょうが、新しく独立する人と戻る人の均衡がそのうち取れてくるんだろうと予想しています。

この潮流が来るまでに、企業側はフリーランス経験のある人材が自社にとってどのような強みになり得るのか、自社で活躍してもらうためにはどのように受け入れるといいのか、などを考えておく必要があると思います。

***

このような予想なので、あと数年~10年後くらいには独立者と帰還者(?)の均衡が取れて安定するんじゃないか、と思いますね。

 

フリーランス人材の方が企業勤めの人よりも優秀なのか?

これはちょっと余談ですが、フリーランスの人の方が企業勤めの人より優秀である説、たまに聞くんですよね。

この説については、僕も総じてフリーランスの方は優秀な人が多いとは思いますね。もちろん全員ではないんですけども。

ただこれ、「フリーランスでもやっていける自信があるから独立している」ので、フリーランスだから優秀なのではなく、もともと優秀だったからフリーランスになっている、というのが実情に近いんだろうなと思っています。

たまに、フリーランスになる=めっちゃ成長して優秀な人材になれる→だからフリーランスになろう!みたいなのも見ますが、これ半分くらいはポジショントークだと感じるので、情報の受け取り手側はその辺りを正しく受け取ってほしいなと思います。

企業での実践経験&教育制度を超えるほどの自己研鑽を自身に課せる人じゃないと、独立しても伸びないんでね。

 

フリーランス人材増加がブライダル業界に与える影響についてのまとめ

いろいろと書きましたが、まとめるとこの流れが良いか悪いかで言えば、フリーランスの人が増えるのはよい影響の方が大きいと思います。

ただし、いずれ均衡が保たれると思うし、その時はかなり実力主義な競争環境になるはずなので、企業側の視点/働き手側の視点のいずれかまたは両方で、来るべき時代に今から備えておくことが必要かなと思います。

今回ご紹介したような業務委託案件での働き方に興味がある方、自分だったらどんな働き方ができるのかとお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せください。

この記事を書いたライター

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