ウェディングプランナーの業務委託契約の報酬は正社員と比べてなぜ高額なのか?
もくじ
こんにちは、アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。
当社で運営している結婚式場とウェディングプランナー経験者の業務委託マッチングサービス「Wedding Me Works」での事例から、業務委託案件の報酬金額が正社員で働く場合と比べて何故高額なのかの理由についてお送りします。
ウェディングプランナーの業務委託契約の報酬相場
この記事執筆時点の現状の報酬相場はおおよそ以下の通りです。
- 新規接客案件:5,000円/接客、50,000円/成約
- 施行担当(打合せ)案件:80,000円/組
- イベント接客案件:15,000円/日
※企業や会場、エリアによって異なります。
案件別の業務内容や報酬相場については以下の記事も参考にご覧ください。
・関連記事:業務委託ウェディングプランナーの仕事内容と報酬制度・報酬相場
結婚式場で正社員として従事しているウェディングプランナーの一般的な給与は、年収で300万円~350万円、月収で20万円~25万円程度であることが多いのですが、業務委託で活動されている場合だと、
- 新規プランナー:月間20接客8成約で50万円~
- 施行担当プランナー:月間5組担当で40万円~
このようにかなり高額になります。新規接客で1日出勤して2接客2成約だと日給10万円超えますからね。
Wedding Me Worksで実際に活動されている方のランキングも公開していますが、月間トップの方は
- 2023年10月:965,000円
- 2023年9月:906,230円
- 2023年8月:792,000円
という実績で、年間1,000万円を超えるペースで稼いでいる人もいます(注:トップは同じ方ではありません)。
このように正社員としての給与と比べるとかなり高単価なのですが、なぜこんなに高いのでしょうか?
業務委託契約の報酬が正社員の給与と比較して高額な理由
税金や社会保険料が含まれていない
プランナーに支払われる報酬には、税金や社会保険など雇用契約の場合は会社が支払っている金額が含まれていませんので、確定申告で自分で納める必要があります。
そのため見かけ上は金額は高く見えやすいです。
業務があったときだけ支払われる
ブライダル業界の業務委託での稼働は基本的に案件単位となるので、固定で毎月〇万円という契約ではありません。新規接客1件当たり、施行担当1組当たり、イベント1日当たりの支払いです。
なので、稼働があるときは稼げますが、稼働がないと報酬はなく0円です。特に結婚式は繁忙期と閑散期の差が激しいので、繁忙期だと稼ぎやすいですが閑散期は仕事が少なく稼ぎにくいのが実情です。
式場側からすると、支払う金額を仕事の発注によってコントロールしやすいので単価が高くてもトータルでコストのバランスがとりやすいのです。
契約の継続を事業者側でも判断できる
今の日本の解雇規制はかなり厳しく、事業者側が社員を簡単にクビにできません。しかし業務委託契約であれば、契約で定めた継続不可理由/契約破棄理由に該当すれば契約を終了することができます。
このように「嫌ならいつでも切れる」ので(表現はさておき)、その分単価は高くなっているのです。式場にとってはメリットですが、プランナーにとってはリスクです。
採用費や育成費がかからないのでその分を報酬に上乗せできる
これはそのままですね。
正社員として働いているときは意識しにくいですが、社員1名を採用・育成するのに会社は相当のコストを支払っています。
それに対して業務委託契約プランナーの場合は即戦力期待で必要最低限の研修のみでコストがかかりませんから、その分を委託報酬として還元することができるのです。
ビジネスモデル的に機会損失リスクが大きい
結婚式は高単価少数販売のビジネスなので、1組の新規来館ロス、1組の施行ロスの影響が数百万円単位で売上・利益期待値を下げることにつながります。
なので、人がいなくて機会損失を起こすことよりも高単価報酬だったとしてもお客様を受け入れる方が業績的にはメリットが大きいと判断されることが多いのも1つの理由です。
独立・副業で業務委託契約プランナー稼働を始めるときは事前にメリットとリスクを確認しよう
プランナーにとって業務委託契約で活動することのメリットとリスクを簡単にまとめると以下の通りです。
- メリット:報酬単価が高いので、成果次第で正社員では実現できないような金額を稼ぐことができる
- リスク:いつ仕事がなくなるかわからない(閑散期、契約終了リスク)
逆に式場にとって業務委託契約でプランナーを活用することのメリットとリスクを簡単にまとめると以下の通りです。
- メリット:必要な時に必要な分だけリソースを確保できる
- リスク:単価は割高
このようなメリットとリスクを把握したうえで、プランナーの方であれば、例えば平日にブライダル以外の固定給の仕事を入れておくと収入の安定化を図れたり、大きな収入があったときに使いすぎない&支出はとにかく計画的にしていく、このような意識を持つとよいと思います。
業務委託契約の報酬単価が高い理由まとめ
正社員と業務委託契約の報酬金額差の理由をまとめました。
業務委託で稼働するプランナーを募集している事業者も増えていますし仲介やプラットフォーム関連の事業者もたくさん立ち上がってきているので、このような働き方は今後もブライダル業界で増えていくでしょう。お金に関するテーマはかなり関心の高いテーマでもあるので、もし今後も予想通りに増えていくのであればできるだけ透明性の高い業界になっていってほしいなと願っております。
今回ご紹介したような業務委託案件での働き方に興味がある方、自分だったらどんな働き方ができるのかとお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せください。