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2024/01/12

ブライダル業界の経験を生かした仕事と業界卒業後のキャリアパス

こんにちは、アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

当社で運営している結婚式場とウェディングプランナー経験者の業務委託マッチングサービス「Wedding Me Works」で活躍するプランナーのお話から、ウェディングの仕事を経験した後のキャリアパスについてお送りします。

 

進むブライダル業界の人材流動化

2020年代に入ってからブライダル業界の人材流動化は進んでいます。

  1. 同業界転職:ブライダル企業→ブライダル企業
  2. 独立(委託):ブライダル企業所属→独立して企業からの業務委託のお仕事
  3. 独立(個人):ブライダル企業所属→独立して個人で直接顧客を集客
  4. 異業界転職:ブライダル企業→業界外企業
  5. 同業界/異業種出向:ブライダル企業→ブライダル企業or異業界企業

ブライダル業界経験者のその後のキャリアの選択肢を大きく分類するとこの5つで、転職を考え始めた求職者から最もよく聞くのが「次はブライダル業界での経験を活かした仕事をしたい」というもの。こういった考えは特に業界経験3-5年目くらい、年齢でいうと20代後半~30代前半くらいまでの方から多く聞かれます。

ただ、本人の中で業界経験を活かして何ができるかを具体的かつ明確に定義・言語化されていることはほとんどなく、漠然とそのように考えている人が多い気がします。

 

ブライダル業界経験後のキャリアチェンジのパターン

1.同業界転職:ブライダル企業→ブライダル企業

A社でプランナーをしていて、B社に転職してプランナーをする、というパターンです。会場タイプや職務範囲の違いはあるものの、多くの場合でそのまま仕事経験を活かすことができます。職種が同じなので、転職というよりは転社ですね。

2.独立(委託):ブライダル企業所属→独立して企業からの業務委託のお仕事

A社でプランナーしていて独立して個人事業主登録、B社と業務委託契約を結んで新規や担当の仕事を受けている、というパターン。最近すごく増えているのですが、ほんとは③になりたくて独立したけど集客が難しすぎて今は②で仕事しています、と言う人も多い気がします。

3.独立(個人):ブライダル企業所属→独立して個人で直接顧客を集客

A社でプランナーをしていて独立して個人事業主登録、自分のブランドを立ち上げ顧客を直接集客してプロデュースの仕事をしている、というパターン。ここ数年でほんと増えたなーと感じますし、すでに活躍されている方々のSNS等での情報発信量が増えたのもあると思っています。

4.異業界転職:ブライダル企業→他業界企業

A社でプランナーをしていて、まったく異なる業界のX社に転職して違う職種として仕事をする、というパターン。最近だと人材紹介企業のCA(キャリアアドバイザー)職やIT業界のCS(カスタマーサクセス)への転職が多いですね。

***

上記はプランナーを例にパターン分けしましたが、他職種も含めて接客に関わるブライダル業界経験者の持ち合わせているスキルはざっと以下のように抽象化できます。

  • BtoC営業におけるの高い接客力、コミュニケーション力、提案力
  • 複数のプロジェクト(施行担当)を同時並行でミスなく遂行できる業務管理力

これらの経験を同じ職種で活かそうというのが①~③、違う職種で活かそうというのが④、となります。

ちなみに、プランナーから人材紹介CAへの転職の相性がよいとよく言われるのは

  • 求職者とのコミュニケーション力、ヒアリング力、求人提案力
  • 数十人の求職者の転職支援を同時に進められる業務管理力

こういったスキルがCA職には求められるので、プランナー経験者の持つスキルとの親和性が高いからです。

 

ブライダル業界の経験を活かす、とは?

経験の活かし方には2パターンあると考えています。

  1. 経験やスキルを直接的に転用する
  2. スキルの掛け合わせで優位性を作る

このうち多くの人が考えたり、転職支援サービスの担当者が言うのはほとんどが(1)です。先ほどの4つのパターンも全部(1)ですね。

(1)経験やスキルを直接的に転用する

ドラクエでいえば武闘家から戦士への転職、FFでいえばモンクからナイトへのジョブチェンジみたいなもので、比較的属性の近い(ともに力と体力をメインに物理攻撃が得意)ジョブに転職することでそれまで取得してきたアビリティを活かすという発想です。

プランナー→プランナー、にしろ、プランナー→人材紹介CAにしろ、これまで積み上げてきたキャリア資産をある程度そのまま引き継ぐことができるので、クロノトリガーの「強くてニューゲーム」状態での転職と言えます。

このパターンのメリットはキャリアの連続性を活かすことができるので、比較的リスクを抑えつつ年収アップや役職アップをかなえやすいことだと言えます。

(2)掛け合わせで優位性を出す

ドラクエでいえば戦士から魔法使いへの転職、FFでいえばモンクから黒魔導士へのジョブチェンジみたいなもんで、属性の異なる(物理攻撃と魔法攻撃)ジョブに転職することで、アビリティの幅を広げようという発想です。

例えば、プランナ→マーケター/デザイナー/エンジニア/人事、といった転職です。職種が変わるので業界はさほど問いません。

これまで積み上げてきたキャリア資産とは全く異なる領域に進むことになるので、ドラクエ3のダーマ神殿での転職でレベル20の戦士が魔法使いに転職したらレベル1になってしまいました。転職直後はめちゃ弱いわ…、みたいな状態になります。

現実世界の転職でも同様で、プランナー時代はチーフクラスまでいてメンバーのディレクションをやっていたとしても、マーケターに転職してみたら入社半年の新卒未満の実力しかなくて一番下からまた新たに頑張らねばいけない、となるわけです。当然、役職も落ちるでしょうし、多くの場合で年収も落ちます。

このように書くとネガティブにも見えますが、長い目で見るとメリットもたくさんあります(詳細は後述)。

 

自身のスキルの柱の2本目を作るという発想

個人的には、上記(2)のかけ合わせでの優位性、つまりスキルの2つ目の柱を作って活躍を目指すという発想を持つ人がもっと増えてほしいなと思っています。

  • コミュニケーション力の高いエンジニア
  • 後工程の営業フローまで考えて最適化できるデジタルマーケター
  • 顧客インサイトが分かるウェブデザイナー

例えばこういった経験を持つ職種の人がいたとしたら市場価値って極めて高いと思うんですよね。

プランナー経験者がマーケティングやデザイン、プログラミングなどを勉強してそれぞれの職種の相応のスキルを身につけたら、かなりレアリティの高い人材になれますし、特に変化の速いこれからの時代では希少な人材になれると思います。営業×デザイン、営業×マーケなど異なる2つの領域に精通している人材って実際の業務ではその人しか発揮できないパフォーマンスって結構あるんですよ。

ブライダル業界経験者が持つスキルの特殊性は高く希少なので、その希少性に別の汎用的なスキルを掛け算することで労働市場におけるプレミアムはかなり高まるんじゃないかな、と。

もちろん、スキルを2つ持ったとしてもそれを掛け算するからこそ自分が作り出せる価値は何なのか?がないとただの器用貧乏になるよってことは注意が必要です。なのでプランナーから他の職種にキャリアチェンジした後の最初の3年-5年は社会人人生2度目の下積みになるでしょう。その期間を受け入れられるかどうかはライフステージによって人それぞれだと思います。

でもその分、異なる武器を2つ持っている人材の活躍できる領域はさらに広がっていくでしょうし、企業からの需要も大きくなっていきそうです。

今であれば動画編集スキルを学んでYoutubeマスターになれれば、これから自社ブランド集客を目指す企業が増えるブライダル業界では希少性の高い人材になれるよね、しかも他の業界でもブランディングに力を入れる企業は増えるから需要高いよね、なども考えられます。

なので、もっとこのような考えでキャリア設計や転職や副業を考える人が増えていくといいなぁと思っています。

 

ブライダル業界で2つ目の柱を作ろうとする人が少ない理由とこれから

ブライダル業界で掛け算キャリアを考える人が少ないのは、職場環境で同じような職種の人が多く、どんな職種が世の中にあるのかを知る機会が少ないからだと思います。また、大手/業界専門問わず人材エージェントに登録してもそんなことは話されないからですね。

要するに「ブライダル経験×○○=★★」における○○の選択肢と★★の希少度・需要を知らないから。これが理由だと言えるでしょう。

なので、この記事をきっかけに

  • ブライダル以外の職種を知る機会を作ること
  • その経験の掛け合わせで何ができるようになってどんな価値を作り出せる人材になるのかを知る機会を作ること
  • 実際に活躍する人材を輩出またはつくりだすこと

このように考える人が少しでも増えると嬉しく思います。

 

ブライダル業界の経験を生かした仕事と業界卒業後のキャリアパスについてまとめ

  • ブライダルの経験の活かし方には2つの方法がある(直接活かす、他のスキルとかけ合わせで生かす)
  • 今後の社会環境の変化を考えると、個人のライフステージにもよるものの、2つ目の柱を作る選択肢を取る人も増えるといいなと

今回の記事の重要なポイントはこの2つです。

直接の紹介は今回の記事では書いていませんが、ウェディングプランナー経験者の業務委託案件での働き方に興味がある方、自分だったらどんな働き方ができるのかとお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せください。

この記事を書いたライター

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