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2024/07/07

ブライダル企業の人事・採用担当者が押さえておきたいポイント(正社員、業務委託)

こんにちは、アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

当社で運営している結婚式場とウェディングプランナー経験者の業務委託マッチングサービス「Wedding Me Works」での事例などをもとに、フリープランナーの稼働も含めてブライダル業界全体の人材活用状況がどのようになっているか、その上でブライダル企業の人事・採用担当者が何を考えるとよいかのポイントについてお送りします。

 

ブライダル企業の人事・採用担当者が考えておきたいポイント

業界全体の人材確保の状況をざっくりと書くと、2022年~2023年にかけての深刻な人材不足状態は脱してきていて、人員計画上の人数は揃いつつある企業が増えてきているように思います。

  • 新卒の大量採用(特に大手、2023年卒から)と戦力化
  • 退職スピードの低下
  • 結婚式需要減や業務効率化による業務絶対量の低下

主な要因はこの3点で、とにかく人がいなかった時期と比較して、人材の供給量が増え、業務効率・生産性が上がり、(残念だけど)結婚式需要が減ったので、人材の需給バランスが整ってきたと言えます。

喫緊の人材不足課題が緩やかに解決してきているという背景から、多くの企業で外部人材活用から採用重視へ回帰している傾向があり、新卒/中途(ただし経験者に限る)の採用を強化している企業も増えています。

この傾向の背景として考えられるのは

  • コロナ前はほぼ採用(=雇用契約)のみ
  • ~2022年くらいまでは人材不足が深刻過ぎて、とにかく経験者なら誰でもいいから手伝ってほしい!という状態
  • いろんなフリープランナーに来てもらったものの、当たりはずれが激しく成果もでなかった(なので対フリープランナーの社内印象が悪い)
  • コロナも落ち着いたしやっぱり社員がいい、採用を頑張ろう!

このような流れ(仮説です)で、上記以外にも、マネジメントコストが意外とかかる、運用にかかる工数負担が大きい、社員とうまく接着できなかった、などの理由も考えられます。

これらを踏まえて、今からブライダル企業の人事・採用担当者が考えなければいけないと思うポイントは以下の3点。

  1. 人材戦略を明確にすること
  2. 採用につながるストーリーを作ること
  3. 広義の業界人材動向は把握しておく

今回の記事ではこのポイントについて書いていきます。

 

1.人材戦略を明確にすること

今後の長期的な人材リソース確保の方針は企業ごとに分かれてきていると感じています。大きく分けると以下の3通り。

  1. 採用重視型
  2. ハイブリッド型
  3. フル委託型

①採用重視型

新卒中途問わずできるだけ社員(雇用契約)でリソースを確保しようとする考え方。

中途採用(ただし経験者に限る)の募集をかけている企業もあるけども、現状は新卒採用で数を担保している企業が多いかなぁという印象。大手だと100人以上採用していますしね。採用重視回帰傾向の企業はここに該当します。

②ハイブリッド型

閑散期の需要に合わせた最低限の人員数は雇用で確保しつつ、繁忙期の上振れはフリープランナーに委託することで機会損失を防ごうとする考え方。

ある程度の人数の委託プランナーと契約を持ち続けることで需要変動に対応していくことになり、将来の幹部候補になるような社員だけを厳選して採用する。

③フル委託型

式場内社員は1-2名で、それ以外はすべて外部の人材(法人としてのパートナー契約含む)を活用するという考え方。

構造的にはフル委託ではあるのだけど、どちらかと言えば式場そのものがプランナー/クリエイターにとってお客さんが入ってくるハブになるという発想の場合もあります。

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この3つのどれが正解ということはないのですが、どの方針で事業運営をしていくのかの方針を理由とともに明確にすることがまず大事になります。

 

2.採用につながるストーリーを作ること

上記の方針の中でも特に経験者の中途採用に力を入れている企業が増えているのは前述の通りですが、ここがなかなかうまくいっていないところが多い気がしています。

具体的には、「どういう人材に来てもらいたいか(応募してもらいたいか)」は明確になっているんですが、「(その人材が)なんでこの会社に応募するのか?」の理由が曖昧というかストーリーが組めていないんですよね。

経験者が転職を決意する場合は何かしらの理由があります。

  • 会社が倒産した、吸収合併された
  • 管理職を目指したいけど上が詰まっている
  • 新しいスタイルのウェディングをやりたい
  • プランナーの経験を活かしたプランナー以外の仕事をやりたい
  • 土日休み、またはどちらかを休めるようにしたい(労働環境を変えたい)
  • 給料を上げたい
  • 何かしらの事情で居住エリアが変わることが決まった
  • 今の会社の中に目指したいと思える人がいない

よく聞くのはこの辺りですが、「このまま営業・接客の仕事だけを続けていってもスキルアップにつながらなさそうで不安、でもブライダルは好きだからこの経験を活かして別の仕事をしてみたいです」は20代後半の人に特に多いと感じています。

このような一人一人の持つ「転職を通じて叶えたいことになぜ応えられるのか?」を理解し、その理由(社内制度、社風、業務内容、事業戦略、など)をストーリーとして組み立て、自社採用広報やメディアを通じて適切な発信ができるかどうかも重要になります。

いろんな求人メディアにただ募集情報を出しても応募獲得は難しいのが正直なところです。優秀な人材ほど特に、って感じですね。

3.広義の業界人材動向は把握しておく

採用重視の方針ならその方針でいいと思うのですが、それであっても外部人材/スポット人材活用などの動向については把握しておいた方がいいと思います。

例えば先日上場承認された「タイミー(https://timee.co.jp/)」は相当な規模になってきていて、ブライダルでもキッチンやサービスなどの人材確保ではかなり有効な手段になりえるでしょう。

かつてIndeedが広まってから採用メディアへの投資配分が変わったように、ブライダル業界内だけでなくそれ外のサービスの出現によって採用環境が大きく変わることもあるので、これもアンテナ張っておくといいと思います。

 

ブライダル企業の人事・採用担当者が押さえておきたいポイントまとめ

ブライダル業界の人材マーケット環境の変化、会社としての人材確保の方針は、ここ数年で毎年変わっている企業が多いでしょう。これまで比較的穏やかな流れでしたが、今後はかなり速い動きが想定されるので、情報の随時アップデートは必要になると思います。

ブライダル業界での外部人材活用(Wedding Me Works)はもちろん、人材紹介サービス(Wedding Me Career)も運営しておりますので、もし人事戦略のご相談あればお問合せください。また、ウェディングプランナー経験者の業務委託案件での働き方に興味がある方、自分だったらどんな働き方ができるのかとお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せください。

この記事を書いたライター

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