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2024/05/14

#07 【Wedding Me Works】サービスの軌跡_マーケティングの思想編

【STORY】Wedding Me Works プロジェクト軌跡 #07_マーケティングの思想編

こんにちは、アナロジーの市川(@analogy_ichitk)です。

当社で運営している結婚式場とウェディングプランナー経験者の業務委託マッチングサービス「Wedding Me Works」のサービス立ち上げからの軌跡を残すストーリー。今回は具体的なビジネスモデルをどのように考えて設計していったのかの話をお送りします。

前回の記事はこちら。

#06 【Wedding Me Works】サービスの軌跡_プロダクト開発編

 

プラットフォーム型事業の成長に必要な要素

いろいろと検討や開発を重ね、想定外のハプニングもありながらリリースされたWedding Me Works。今回は事業成長を見据えてマーケティングをどのような思想で行うことにしたのかがテーマです。

Wedding Me Worksはプラットフォーム型のサービスなので、マーケティング戦略を考える際、以下の2点は初めから意識していました。

①プランナーとクライアントの比率を保つ

集客をしていく際に絶対に外せないポイントの1つ目は、プランナーとクライアントの利用者数バランスを保つこと。

  • プランナーだけ増えてしまうと、登録したはいいものの仕事がない!という状態になってしまう
  • 利用企業だけがたくさん集まると、人不足で困ってるのに誰もいないじゃないか!という状態になってしまう

どちらか一方だけが増える状態になってしまうと利用者満足度が大幅に下がるので、バランスよく新規登録を増やしていくことを意識しています。実際にはさらにこれにエリアの要素が掛け合わさってくるのでさらに難しいんですけどね。

②人材の質/案件の質を保つ

登録しているプランナー人材の質、募集されている案件の質、それぞれの高さは競合サービスに対しての優位性に直結します。

質とは具体的に何を指すのか?を言葉で定義するのは難しいのですが、以下のような点は当時から運営ルールとして決めていました。

  • プランナー経験1年未満の人は登録をお断りする
  • 適切なコミュニケーションが取れない人の登録はお断りする
  • 外部プランナーを明らかに下に見るような企業の利用はお断りする

プランナーへ支払われる報酬の20%を手数料としていただくビジネスモデルなので、プランナーが企業で活躍できないと事業の売上も伸びないんですよね。

なので、ただ数を増やせばいいというわけではなく登録後/利用開始後にちゃんと活躍できそうか?お互いにとっていい関係性を作れそうか?この観点は重要になるのです。

 

プランナー集客のマーケティング方針

上述の理由から一気に登録者数を増やす!という戦略は考えていなかったので、基本はorganic施策でコツコツと集客していく方針で進めていました。

具体的には、

  • 業務委託での働き方やフリープランナーの相場などの記事コンテンツを書き、検索から流入を獲得する(SEO)
  • サービス公式Instagramアカウントを運用し、プロフィールからサイトへの遷移を獲得する
  • サイト内の情報ページを充実させ、問合せにつなげる仕掛けを作る

このような内容で、初期からWEBマーケティングの王道施策を積み重ねていきました。もしプランナーかクライアントかどちらか一方だけ利用者(社)が増えたら、ブースト目的で広告を使うことも視野に入れておく、という感じです。

余談ですが、広告経由よりも検索やSNS経由での問合せの方がCV後の稼働率は高いです。特に指名検索経由だとなおさらですね。これは事前にしっかり調べてから問合せをする方がサービスに対する信頼性や期待値が高いのが理由です。

爆発力はないが積み重ねが効いてくる施策を中心に展開していたので、初年度はプランナーからの問合せや登録はあまり増えませんでしたが、2年目以降で事例が増えてくるにつれて効果が出てくることになります。

これはまた別の記事で。

 

クライアント(結婚式場)集客のマーケティング方針

同じく一気に利用式場を増やすという戦略は考えておらず、同様の施策からの問合せまたは知り合いの紹介、市川個人が書いているメルマガなどで集客しました。特別に法人向けのマーケティング施策を実施したわけではありません。

一般的にはブライダル産業新聞などの業界紙への広告掲載も手段としてはありましたが、登録プランナーのエリアがほぼ関東に集中していたこと、たくさん問い合わせが来てもオペレーションが回しきれないことから、出稿は控えていましたね。ちなみにサービスリリースから3年目の現在でも出稿はしていません。

案件量を増やすことももちろん大事ではあるのですが、思想として「ご利用いただいた企業にはしっかり満足していただきたい」ことの優先度が高かったので、闇雲に数を追うよりも使いやすいサービスを開発する方を優先していました。

この思想は今でもあまり変わっておらず、新規のお問合せといただいたら誠実に対応する、利用開始から稼働安定までのフォローアップまでをちゃんと行うことを大切にしています。将来的にもプッシュ営業してガンガン開拓していく、、、という選択肢を取る可能性は低いかなぁとは思います、わからないけど…。

 

まとめ

ということで、第7話をお送りしました。事業としてやるからには大きく成長させることが利用者にとってのメリットでもあるので、初期からマーケティングについてはちゃんと考えていたつもりです。

これが正解だったのかはまだわからないですが、数を追うより質を追うを優先してマーケティングしていたなぁと思います。社内リソースが限られていた、システムがまだ不安定で多くの業務処理をさばける状態ではなかったというのも理由ではあるのですが、狭いブライダル業界で焼畑的マーケティングは相性よくないよなと思っていたのがやはり大きいですね。

使ってくれた方/企業にはちゃんと納得と満足をいただきたい、サービスに対するこの思想は今もブレていないなと思います。

この記事を書いたライター

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